スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2

| スポンサー広告

sims物語27「大失態」






コンコン

Screenshot-43_20160327151911b51.jpg
ガチャ


Screenshot-45_20160327151913d78.jpg
「タオ?」
「!」
「ちょっといいかな?」

Screenshot-44_2016032715191293d.jpg
「サ、サキさん・・!はいどうぞ!」


Screenshot-46_20160327151914459.jpg
「タオ、明日ひま?」
「明日はお仕事は休みですが」
「じゃあさ、のんびり散歩しない?」

Screenshot-51_20160327152845cba.jpg
「散歩・・・ですか?」
「もう秋になってきたし、暑かった夏の終わりに湖近くをのんびり散歩したら気持ちいいんじゃないかなって」
「おお!なんだか楽しそうですね!」

Screenshot-49_2016032715284628c.jpg
「ふふっ楽しいかどうかは分からないけど、どう?」
「サキさんとなら楽しいですよ!行きましょう!」
「本当?良かった~!」

まさかサキさんからデートの誘いが来るなんて思わなかった。
これほど嬉しい事はない。
明日か、とても急だな・・なにを着ていこう・・

Screenshot-50_20160327152844434.jpg
「で、では明日何時に行きましょうか?」
「せっかくだしお弁当も作っていきたいよね。11時くらいがいいかも。湖でランチしよ♪」
「はい!!!」




サキさんと・・・湖で・・・ランチ!
サキさんの手つくり弁当でランチ!!!
デート!!!!!




タオは喜びに浸り、
まるで遠足の前日のように興奮し、眠ることができなかった。


















ブリッジポート
Screenshot (3)

「本当、今日はご来店ありがとうございます」




Screenshot - コピー
「2号店オープンしたって聞いて、すぐに駆けつけたかったんだけど、仕事が忙しくてねぇ」
「お忙しい中、足を運んでいただけでとても光栄です」
「前のお店ではまだまだ新人さんだったあなたが、この店で責任者ですって?」



Screenshot-2 - コピー
「まだ見習いではありますけど、一応・・はい」
「1号店店長とはもう長い付き合いでね、彼女が太鼓判を推すんだから、優秀な方なんでしょうね」
「いえ、とんでもないです、私を信頼してくれた店長の顔に泥を塗らないように日々勉強中です」


Screenshot-3 - コピー
「えぇ、そうでしょね、でも期待しているわ。今度大学時代の友人のマリリンたちと久々にお茶会でもって話なんだけど、その日のために新調しようと思ってね。私好みのニューアイテムあるかしら?」

Screenshot-4_20160327130530a4f.jpg
「・・・」
Screenshot-5_20160327130532bd8.jpg


Screenshot-7_2016032713053434e.jpg
「ねぇちょっと」
「はい」
「彼女が担当してる方、好みがうるさくてね。向こうに用意してある服を持っていくよう言っておいてくれる?」
「あ、はいわかりました。彼女の好みをもう知っているんですね!向こうのって・・えっとどれです?あっちのテーブルのですか?マネキンの?」
「あぁんもう、私もお客様対応で忙しいのよ!相沢さんも彼女の好みを知ってるはずだから、向こうに行けばすぐわかるわ。あ、くれぐれも粗相がないように、とも伝えてね」
「了解です!」


Screenshot-10_201603271321103e3.jpg
「・・・・」





Screenshot-6_20160327130532ec0.jpg
「お客様のお気に入りアイテムもご用意させていただいております」
「あら、本当?さすが優秀ね、店長が見込んだだけの事はあるわ」
「ありがとうございます。ご用意してまいりますので少々お待ちくださいませ」





このお客様は1号店での太客だ。
店長が必ず対応していた。

店長しか対応を許されていなかったお客様を
私が対応するなんて・・・。
こんな事なら、店長にもっと聞いておくんだった。

これで気に入られれば、私の責任者としての株もきっと上がる。
喜ばせるには彼女の好みのアイテムを用意しなければ・・。

お客様は予約もなにもなしでいきなり来店したもんだから
彼女の事をろくに知らない状態で接客しなくちゃいけなくなった。
重大なミスをしないかすごくヒヤヒヤして
焦っている。
大丈夫、用意しに裏へ行ったときに急いでノートを見れば・・・・

そう、こんな時のためにお客様ノートというのがある。
1号店店長がくれたノートには、彼女のデータが書かれていたはず。
大切な常連客が来店したら必ず確認を怠らないこと!そう言われて渡された。

常連のお客様が過去、どんなものをお買い上げしたのか
または注意点なども簡単にメモされている。
これで好みの系統やブランドを知る。
普通なら直接聞くんだけど、彼女はちがう。

かなりのお金持ちだし、ずっと前から通ってくれてる。
来店した時はこれでもかってくらいリッチに買ってくれるし
買うものも素材がよくて高いものばかり。
このお店には絶対逃せられない太客。
彼女のおかげで売上も安定。それくらいは太い!・・・はず。





Screenshot-8_201603271321116e7.jpg
「あ、ちょっといい?」
「うん」



Screenshot-16_201603271321123d5.jpg
「あのお客様って、かなり太客なんでしょ?」
「うん、そう、だからミスできない」
「もう用意してあるから、それを持って行って」
「え、本当?」

マナカは、用意された服を手に取り、お客様の様子を伺いながら話す。


Screenshot-15_201603271321108b7.jpg
「助かるよ、これルッチの新作アイテムね」
「そうそう、あの人結構気難しい人みたいだから気をつけてね」
「ありがとう」

マナカは用意されたアイテムを持ってお客様の元へと向かう。







「お待たせいたしました」
Screenshot-20_20160327134137e3f.jpg
「それは?」


Screenshot-19_2016032714532598f.jpg
「ルッチの新作です。この花柄が華やかでとてもお似合いだと思いますよ!」
「ルッチ・・・?」
「白を着ると気分も明るくなるし、ご友人達とのお茶会なのであれば是非」

Screenshot-18_201603271453239c7.jpg
「・・・・私の事何も知らないのね?」
「いえ、お客様の事は1号店店長から聞いておりますし、あ・・この柄はお気に召しませんでしたか?それではこちらのネイビーはいかがでしょう?落ち着いた大人らしいデザインで・・」
「ふざけるのもいい加減にして!」
「!」


たまらず怒鳴るお客にマナカ含め、店にいた全員が驚いて視線を向けてくる。
「これは冗談のつもり?私を・・バカにしてるの?」
「い、いえ!そんなことは・・・」
「前の店長が、そう言ったっていうの?なら、私を侮辱してるわね!こんなのってあり得ない!!」



Screenshot-24_20160327150118f97.jpg
「あ、あの・・・」
「・・・・・。そのルッチってのはね、私の敵であるマリリンのブランドなの!私がそれを着るってのは、何よりの屈辱でしかない行為!そんなもの見たくもないわ!」
「え!?でもマリリンさんって友人って・・」
「そんなの見かけだけに決まってるでしょ!あんな尻軽女がデザインした服なんて早く消えてしまえばいいわ」

「すみません、お客様」
Screenshot-26_20160327150115262.jpg
後ろにいた森田が出てきた。
「申し訳ございません、お客様、すぐに別のものをご用意いたしますので」
「もういらないわよ!敵に会うっていうのに、こんなもの着れないわよ!・・・バカバカしいって思うかもしれないけどね、女の世界ではこれが当たり前なのよ!見栄と意地で成り立つものなの!友達のフリしながらも腹の底では自分を有利に立たせて、蹴落とすチャンスを伺ってる。あなたみたいに若くて、地位も金もない子にはわからないでしょうね」


Screenshot-27_20160327150117e05.jpg
「申し訳ありません」
2人はそろって深々と謝罪するが、客の腹の虫は収まらない。
「1号店店長が見込んだっていうから、全部理解してるものだと・・・。私もバカね、こんな若者がすべて理解してるって思ったなんて・・・。店長とはね、古い付き合いなの。本当に出来る人だった。あなたにはその役目は早いんじゃないかしら?」
「すみません・・!」

Screenshot-28_20160327150117479.jpg
「ま、私もバカだったから多めに見るわ。でももう謝らなくていい。二度とココにはこないから」
「そんなお客様・・・!」
「じゃあ」
ツカツカとヒールの音を響かせて帰ってしまった。

Screenshot-29_20160327150119065.jpg




私の・・・馬鹿。
ノートを見るのを怠ってしまった。
何故、見なかったんだろう?

チャンスをダメにした。
これは・・・・とんでもない事をしてしまった・・・・・

























ツインブルック
Screenshot-87_20160327160440da5.jpg


天気は絶好調の晴れ。
秋晴れだ。


夏ももう終わり。
場所によっては緑から赤へ
木々の葉の色を変えている。

Screenshot-79_2016032715393447c.jpg
紅葉を見つめながら
長いようで短かった夏が終わったんだと
少し寂しく感じたりする。


Screenshot-97_20160327165219d6c.jpg
「秋って、何故か少し寂しい気持ちになる」
「僕もそうです」

肌寒い風が
ほてった体を冷やす。


湖を見つめながらサキの作ったランチを食べる。
2人はこの日、弾むような会話をし
時々跳ねる魚を見つけては、はしゃぐ。まるで子供のように。

Screenshot-96_20160327165222273.jpg

傍から見ればただのカップルだ。
本人達からすれば
やっと、ここまで距離を縮める事ができた関係。
ゆっくり、ゆっくりと
互いを受け入れ、互いを知り、
会話をしながらも、視線がぶつかり合う度
着実に惹かれあう。

Screenshot-78_20160327153937e9a.jpg
今は、これがいい。
これくらいのペースがちょうどいい。

空が秋の空に変わっていく。
気まぐれな空に。

でも、機嫌がいいと
とても綺麗になる。

この日はまさにそんな空だった。

2人はそんな秋の空を見て、そろそろ帰ろうと言い出す。
紅く染まる中、2人はゆっくり歩きながら帰宅した・・・。














Screenshot-88_201603271727095ab.jpg
2人で並んで
フと思い出す事がある。
この道は何度も歩いてきたなって。
既婚者であった小久保タケルと別れた後、
そして幼馴染のケイ君と別れた後・・・

どちらも僕とサキさんの関係は今も変わらない。
だけど
僕とこうやって歩いて帰った。
不思議な思い出があった。



Screenshot-81_20160327172500ebd.jpg
タオは家に着くと、そっとサキの手を握る。
サキも嫌がる事なくただタオの言葉に耳を傾ける。
「サキさん」

Screenshot-83_201603271725011d0.jpg
「僕は今日とても幸せでした。素敵な散歩を誘っていただいて、感謝しています」
「なにを大げさな!ただの散歩よ」
「えぇ、おかしいですよね、でも僕にとってはこれは、“ただの散歩”じゃないんですよ」

Screenshot-82_2016032717250073f.jpg
タオが言いたい事は、わかっていた。
とても優しくて、とても愛してくれているのは
もうずっと前から知ってたから、
ゆっくり、この関係が気が付くことなくゆっくりと
変わっていけたらいいなって
サキも、そう思っていた。

Screenshot-84_20160327172502209.jpg
「すみません・・僕は不器用みたいです、こんな風にしか伝えられないから、重いと思いましたか?」
「え!?全然?そう思うの?」
「あぁ、カズに言われた事がありました、ははっ」
「うふふ」


こんな所も、可愛らしいと思えて、
不器用だけど、その代わり直球にぶつけてくれる。
私はそこがいいと思うんだけどな。


サキはそう思いながら、タオを見つめていると・・・
Screenshot-98_2016032718403943f.jpg
「・・・・・サキ」

とタオではない声で自分の名前を呼ばれた。
「?」

Screenshot-99_201603271840397e4.jpg
1人の白髪まじりの男性がいつの間にか2人の横まで歩いてきていた。
「サキ・・・・」



Screenshot-101_20160327184042b99.jpg
「・・・!」



Screenshot-100_201603271840410e4.jpg
「・・・え・・・!?」

サキは見た瞬間、すぐに分かった。
そして、思い出す。
胸が締め付けられるこの感覚を。

Screenshot-102_201603271840438c6.jpg
「久しぶりだな、サキ」




















Screenshot-2 (2)

Screenshot-31_20160327165742fe5.jpg
「どうしてくれるの?!相沢さん」

Screenshot-30_20160327165745e20.jpg
「すみませんでした!」
「すみませんでしたじゃないでしょう!新人がちょっとミスして謝って許されるようなレベルじゃないのよ!?」
「はい、わかってます・・」

Screenshot-34_20160327165744f9a.jpg
「わかってないみたいね!こんな事したんじゃあなたは一人前になる前に、出戻ってもらうしかないわ」
「そんな・・・」
「それくらい重要なお客様だったのよ、ウチにとっては!そんな大切なお客様を失ったんじゃこの先・・・」
「あぁどうしよう・・・何故こんな事に・・・」
マナカは泣きそうになりながら頭がパニック状態だ。

Screenshot-32_20160327165744fb1.jpg
「まさか彼女のライバルのブランドを勧めるなんて・・・・!店長から何も教わってこなかったようね!」


Screenshot-35_201603271657467d3.jpg
「わ・・私はただ・・鈴木さんに渡されたものをそのまま・・・」
「! いえ、私だって頼まれただけですよ!」

Screenshot-37_201603271706464a0.jpg
「それに相沢さんは私よりお客様の事知ってたじゃない!見ればわかるって言われたから・・」
「そんな・・でも・・」

Screenshot-38_20160327170644e7e.jpg
「私のせいにするなんてひどいです!」
「そ、そんなんじゃない!でも渡されたから・・・」
「渡されたからって、私のミスですか!?私は大岩さんから・・・・」
「はい、そこまでよ!2人とも!!」

2人の声が消されるくらいの大きな声で止める。


Screenshot-39_201603271706494a7.jpg
「相沢さん、あなた店長代理でココに来てるのよね?確認不足だったんじゃないかしら?そうやって下の子のせいにして責任逃れするつもりなら、とっとと出て行ってくれる?それとも、信用取り返したいんならお客様のところへ行って謝罪をしてくる?」
「・・・!」
たしかに、しっかり確認しなかった自分が悪い。
ノートを見ればわかるはずだった。
焦って、言われるがまま渡してしまった。
あぁなんてこと・・・

Screenshot-40_20160327170646e0f.jpg
「もういいんじゃないか。言いすぎだよ大岩さん」
「でも、責任者として、甘やかすわけにはいきませんから」


Screenshot-41_20160327170647882.jpg
「・・・・お客様に、謝罪してまいります。すみませんでした」



私は、いざって時に、
こんな大きなミスをする。

出来ない子だな、あたし・・・。







web拍手 by FC2

| sims物語本編 | コメント(0)

sims物語26 「一世一代の決意」


アル・メディーナ



いつでも暖かい気候のこの国では
午前中に仕事をこなし、午後は酒場でひと時を過ごす人々が多い。

俺は、というと・・・

しばらくこの街で落ち着こうと決めてから
居候の条件として出された仕事は家の雑用及び
夕食作りをまかされた。

店で出す酒やら食品、夕食の具材等もかねて買い物にいく。
ブラブラと散策してから帰宅

現状バーはマスター1人で十分で
マスターはそこをどこうとは思わないようだ。
帰宅して酒をバーカウンターで数杯飲んでから
夕食の支度を始める

というのが日課になり、まるで主夫だった。
というのも、普段マスターは、この家に1人で住んでいる。
息子のサイードは嫁と子供がいて、別の家に住み、バーではない仕事をしている。
老人の1人暮らしが心配で、俺を雇ったのだという。







Screenshot-60_20151227135817901.jpg
「ここはええじゃろ?ずっといたい街じゃろ?」
とマスターが初めて会った日と同じように話しかけてきた。
「・・・?あぁ、しばらくはココに落ち着くつもりだ」
「この土地の美味い水の虜になったわけだな、へへへ」
と乾いたような声で笑う。

「あんたは結婚してんのか?」
「いやしてない」
「女はおらんのか?」

Screenshot-61_20151227135818ad3.jpg
「いないね」
「女の1人もいねぇで旅しとんのか」
「いや・・正式にお付き合いはしてないんだ、でも・・。心にはずっとその人がいる」
「ふむ、いつかはその人と結婚でもする気はあるのか?」

そう聞かれて、少し考える。

Screenshot-62_20151227135819523.jpg
「どうかな、それは・・・可能性は低いよ」

「なんじゃハッキリしないなぁ」


迎えにいきたいとは思っていた。
いつか、迎えに・・・。そう願っていた事もあった。

旅をし始めて随分経つ。
時間と共に願いは変わってきていた。

もう彼女は俺のいない世界で生きている。
幸せに暮らしているなら邪魔はしない。



・・・結婚、か。

考えた事ないのか?と聞かれたら嘘になるが
彼女の人生を俺が振り回してはいけない。
俺は政治世界を去り、家族と離れて勝手に旅をして回っている身。
将来の安定も夢もない自分と一緒に、なんて
できやしない。幸せにしてやれる自信もない。


彼女はもう俺の事など忘れているだろう。
別れの時・・あの時、少しギクシャクしてしまったから
心配してるだろうと思い手紙も2度送ってきたが
これからずっと未練がましく送るつもりもない。


彼女はもう新しい世界を歩んでいるだろうから。




Screenshot-64_201601101217291cd.jpg
「その女はまだ待っているかもしれんよ?」
「随分、経ったから・・・別れてから。それから連絡を取り合ってもいない。彼女が幸せならそれで、俺は十分なんだよ」

「取り合うのを避けたのはお前さんじゃないのか?」
「・・・あぁ、そうかもしれない、でもこれでいいんだ」
「ふむ」


避けたのは、たしかに俺だった。
でも
俺の決めたレールに巻き込んでしまいたくなかった。
あいつはあいつのレールを歩んで欲しかったから、
だから俺は去った。
握っていた小さなあいつの手を手放した。

























ドダダダダァーン!


朝方にとてつもない衝撃音が家中に響き渡った。
俺は飛び起き、音のした場所へ行くと
マスターが倒れ込んでいた。
どうやらマスターは自宅の階段からころげ落ちて、
気絶しているようだった。

すぐさま救急車にて運ばれていった。









Screenshot-34_20160110122156152.jpg
息子のサイードが病院に着いて
事情を説明した。

マスターの命に別条はなかった。
が、骨折していたためしばらくは入院生活となった。

店は3日程休業したが、マスターの希望で
店を再開する事にした。



Screenshot-38_20160110122156922.jpg
「仕入れお疲れ様」
そう言ってサイードが酒を出してくる。
「・・・どうも。俺、店番してますよ?マスターんとこに行ってていいですよ」
「嫁が看てるんで大丈夫さ、それよりすまないね、親父が入院しちまったせいで店や家を守ってもらっちゃって・・・居候とはいえ、客なのに」
「そんなことは気にしないでいいです、マスターどうですか?」
「それがねぇ・・ただの骨折でも、親父ももういい年だろ?こういうので寝込むと急激に体力も落ちるって言うしねぇ」

Screenshot-37_201601101221565eb.jpg
「随分滅入ってるんですか?」
「介護生活で随分気持ちが落ち込んじまってねぇ・・こりゃ店も閉めなきゃいけなくなるかもしれないわ」
「そんなにですか?」

Screenshot-36_2016011012215409f.jpg
「・・・・」
サイードは急に黙り込んでしまう。
この店がなくなってしまうのは俺にとっても辛い。
ゆったりと酒を飲んで過ごす午後は
静かなこの場所が一番良い。

「実はね・・・・それだけじゃないんだ」
「?」

「数年前からその症状が出ていたんだけど、ココ最近特に多かったんだけど・・・」
「病気、ですか?」
「認知症」
「・・・認知症・・・ですか」

「物覚えが悪くて、さっき言った事もすぐ聞いてきたり、予定そのものを覚えていなかったり・・・お酒を何度も持って行ったりしててね・・これはって思って。」


Screenshot-60_20160110151521781.jpg
「ここはええじゃろ?ずっといたい街じゃろ?」
「・・・?あぁ、しばらくはココに落ち着くつもりだ」
「この土地の美味い水の虜になったわけだな、へへへ」



Screenshot-42_20160110151623e56.jpg
「・・・・・」
言われてみれば思い当たる節があった。
初めて会った日から今までずっと・・・
会話をちゃんとしているはずなのに、まるで初めてするかのように
何度も同じ質問をされた事があった。

「俺も仕事があるし家族を養う上で、このバーはいつまでも面倒見れないんだよ」
「でも・・・そしたら客はどうなるんです?」

Screenshot-40_2016011015162121f.jpg
「悪いけどね・・・行くアテもないだろうがね、事情も事情だ、わかってくれるさ」
「でも・・・マスターはここの客を一番に考えていた。辞めるのはマスターの希望を奪うって事ですよ」

「はははっ!親父の希望ったって、もう80過ぎのジジイだよ!むしろ叶えられてるほうじゃないかねぇ、長年潰さずに地味に店を開けてたんだから」

Screenshot-41_20160110151621811.jpg
「親父の気持ちを考えてくれんのはありがたいがね、俺はこの店を守れないし、かといって親父ももう動けない。そもそも親父がバー経営を手放さないおかげで1人暮らしをやめようとしないのは俺は困ってたんだよ」
「やめさせたかったんですか?」

Screenshot-44_201601101516254fb.jpg
「今回の事で決心ついたんだ。今回はたまたまサトシがいたから気づいてもらえたものの、いなかったらって考えてみろ」
「・・・・たしかに。そうですね・・」
考えるのは当然だった。
80歳過ぎた親が1人暮らしをするっていうのは子供からしたら心配だ。しかも認知症の疑いがあったのなら尚更だろう。
かと言って、自分の家族を養う為に働いてる以上、そう何度も顔を出せる暇もないはずだ。

この決断は正しい。
夢を奪うだの客の心配だの、言ってられなかった。


Screenshot-43_20160110151624093.jpg
「今回を機にこの店を閉めようって、思ってる。手伝ってもらって悪かったね。サトシ、しばらく店守ってもらっていいかな?親父が少し回復した頃を見計らって説得するからさ」
「はい、任せてください」

こうやって

人の夢は散っていくのだ。

自分で決断できずに終わる願いもあるだろう。
俺はどうやって見つけ、どうやってつかみとり、そしてどうやって散っていくのだろう。

自分で終わらせるのか、終わらせられるのか・・・。
知りたいようで知りたくない結末。




あと何回、この店は開店できるだろうか。






























ツインブルック



Screenshot_20160110154132db4.jpg
ピンポーン




Screenshot-2_2016011015413109b.jpg
ピンポーン
「はいはい」

ガチャ
Screenshot-5_20160110154132ed0.jpg
「「あ」」




















Screenshot-6_20160110154134fab.jpg
「・・・・」
「・・・・」
チク・・タク・・チク・・・タク・・・
時計の針の音はやたら大きく聞こえる。
隣からはまっすぐな視線が突き刺さる。



タオとは・・・


“あの日”以来だった。

Screenshot-33_20150405103156f40s_20160110155017725.jpg
「サキさんを本気で愛してるんですか?」
「・・・」




Screenshot-7_2016011015413489b.jpg

気まずい。

気まずい事この上なし!

しかし、このままではいけない。謝ろうか・・・タオはそもそも怒っているのだろうか。

何も会話がないってことは、怒っているのか。
そりゃそうか・・・それだけショックもでかかかったし、俺は裏切ったのだから。


ちょっと待て?
・・・・・もし疑われてたら?

ココに来た理由は誰かに相談したくて来た。
でももし鉢合わせしたのがサキだったら・・・・当然サキの事だから話を聞くだろう。

それを疑われてる!?
サキ目当てで来たんじゃないかって、そういう事か・・・?!
こ、これは・・・・


よし!謝ろう、そして誤解を・・・
「どうしました?」
ビクッ!
Screenshot-8_20160110155818147.jpg
「・・・?なんだか元気ないですが・・」

「タオ、誤解しないでほしいんだ、ちょっと・・・俺よく分かんなくなっちゃって」
「どうしました?」
「ただ相談に乗ってくれる人が欲しかったんだ、決してそれ以外の理由があって来たワケじゃ・・」
「どうしたのかって聞いてるんですよケイ君」

「・・・あ、お、おう(・・あれ??)・・・・・お前にコレ、相談するって変か感じだけどさ・・・」





Screenshot-11_20160110155818530.jpg
「マナちゃんと会ってちゃんとしたいって思ってるんだけどさ・・・まだ電話に出ないんだ」
「・・・出ない、ですか」
「これ拒否られてるって事だよね!?」

「うーん」

Screenshot-12_20160110155821d17.jpg
「仕事が忙しいのではないですか?」
「それでも折り返しもメールも一切ないんだよ、俺そんなに嫌われてるのかって・・・ショックで」
「いや、嫌いではないと思うんですが」

「このままじゃ前に進めないし、気持ちだけが焦っちゃって」
Screenshot-9_20160110155816c3b.jpg
「お店に行ってみては?」
「そんなことして余計に拒否られたらどうする!?もう俺何が正解なのか分かんなくなっちゃったよ」

「なぜ怯えるのですか?なぜ会いに行きませんか?直接目を見て伝えれば拒否なんてしません!マナカさんはそんな人ではないですよ!」
「もう怖いんだよ・・ほら、色々あってこじれただろ?まともに会話したのだって随分前だし、最後に会ったのって・・・たしか・・あの・・」
「なんです?」

「・・怒るなよ?サキとデート中だったからさ・・」

Screenshot-16_201601101718433ea.jpg
「・・・」

Screenshot-14_20160110171842f41.jpg
「・・・・・ああああ!!ごめんっ!いやただ・・・タオにもちゃんと謝らないといけないし・・本当・・ゴメン」

「ただ本当にわかってほしいんだけどタオを裏切る気とかは本当になくてだな・・そ、それに・・」
Screenshot-15_20160110171842595.jpg
「会いに行きましょうケイ君!」
「それにだな・・・え?」

「マナカさんはまだ付き合ってると思ってる、もしくはケイ君はサキさんに対して傷心中であると誤解してるのかもしれないじゃないですか!」
「・・・あ、あぁ・・そうか・・」
「はい!それなら電話を拒否する理由はわかります。マナカさんはとても周りに気を使う方ですし、特にケイ君にはそうだと思いますよ!それなら直接会って誤解を解かなくては前には進みません!!!」

「なるほど・・・」

Screenshot-25_20160110173122601.jpg
「ケイ君!!プロポーズしましょう!!」






Screenshot-20_20160110173349e46.jpg
「・・・・・え?」




「プロポーズです!ケイ君!」





Screenshot-21_20160110173348851.jpg
「はぁぁぁぁ”!?何・・え!?タオ何言って・・!?」
「ケイ君の気持ちはもうガッチリ固まってるじゃないですか!それに気持ちを伝えるのは初めてではないでしょう?お互いにしてます!もう何回告白するつもりですか!」
「え・・いやぁ~・・」

「ココは最後のつもりでガツンと本気を見せるべきです!」

Screenshot-22_20160110173350b0b.jpg
「でもいきなりプ、プロ・・プロポーズだなんてっ!!」
「このまままたズルズルと逃げられてケイ君は納得いきますか!」
「それはそうだけど」

タオのこういう突拍子もない事を言うのは
たまにあるが本当に驚かされる。

俺は結婚なんか全然考えてもいなかった。
だって、マナちゃんはずっと心の奥ぞこに絶対存在してる人で
好きだけど
そんなに深く知り合う事もなかったわけで
いきなり結婚申し込んだら

それこそ・・・
終わりなような気がしてしまう・・・。

「いきなりはマズいよ、断られるよ」

Screenshot-23_2016011017335037a.jpg
「ケイ君!自分に信じましょう!マナカさんはそういうのに弱い乙女だとハンナさんが言ってましたし!」
「・・・いやぁ~・・・」
(姉さん余計な事吹き込んだな・・)

「マナカさんのウエディングドレス、見てみたくないんですか!?」
「!」





Screenshot-28_20160110173125de1.jpg
「マナちゃんの・・・・?」

ウエディングドレス・・・


だと・・・!?








Screenshot-29_2016011017455840a.jpg

Screenshot-30_20160110174558780.jpg













Screenshot-26_201601101731229dc.jpg
「・・・・・ウエディング・・・ドレス・・かぁ・・」
「ケイ君?・・・ケーイくーん?」



しばらく

俺の頭の中は夢の世界へと旅立っていった。
そしてその夢から覚めた後、プロポーズという一世一代の決意を
固めたのだった(決してドレスを見たいからってだけではない!)















web拍手 by FC2

| sims物語本編 | コメント(2)

sims物語25 「選択肢」
















Screenshot-2_20151025122152c53.jpg
「よく撮れてるよ・・・!」






Screenshot-3_20151025122155e39.jpg
「バッチリだよコウジ!」
「あぁ」

「これであいつの人生転落だわ」
「・・・」

Screenshot-4_20151025122153257.jpg
「クスリをやってるなんて事がバレたらあの超おぼっちゃま学校は間違いなく退学、この街一番の有名学校だから地域のマスコミが騒ぎ始める!こんなスキャンダル逃すはずないもんね。極めつけは親。ここまで世間に恥晒されて黙っているわけない。きっと連れ戻すわ。そしたらこの街からあいつはいなくなる!完璧!」
「あぁ、そうだな」

「後はまかせてコウジ!ここからは私の得意分野だから!親にチクるだけじゃ不安だから、軽く脅しておくのがいいわね。またあいつが戻ってきて復讐の復讐されないように・・」
「アツコ」
「うん?」

Screenshot-5_2015102512215503e.jpg
「こっから先はお前のやりたいようにやれ。俺はもう関わらねぇ」
「うん、もちろん!本当ありがとうコウジ、あんたがいなかったら立ち直れなかった」

「・・・アツコ。復讐したい気持ちはわかる。長い間かけてもて遊ばれて、プライドも夢も踏みにじられて・・辛かっただろうがな・・。これだけ、言わせてくれ」




Screenshot-7_20151025123355dfd.jpg
「・・うん」





「許す勇気も必要だって事」
「・・・!?何それ・・?今更許せって?だってあいつは・・・!」
「わかってる!黙って聞け」
「・・っ!」

Screenshot-9_20151025123357c0e.jpg
「許せるわけねぇって思うだろうが、それは当然の事だ、俺もそうだった、でも・・俺は許した。そいつを。そいつに対して許せなかった事全部水に流して全部許して前に進もうって決めたんだ」
「それは・・私と事情が違うよ」
「事情とかじゃねぇんだよ、アツコ。復讐して何か変わるか?気持ちがスッキリするだろうが、結局やってることは藤堂と同じじゃねぇのか?」
「・・・!」

「お前はすごく優しくて、器がでかくて、自信に満ち溢れてる。復讐しなくたって夢に追いつけるし、友達だってまたたくさん作れるはずだろ。・・・万が一、あいつにまた狙われたら今度こそあぶねぇぞ?」


「この事がカズに知られたら?どうするんだ?」
「・・・!でも・・」」
「お前はこんなとこで立ち止まるような奴じゃねぇ。もっと前に進むべきだ。カズとやり直すんだろ?仲間とステージに立って喜びを噛み締めてぇんだろ?未来のために、間違った選択肢を選ぶな」






「許す事で前に進める事だってあるんだ」




Screenshot-8_20151025123359d60.jpg
「じゃぁ・・・じゃあさ・・何もしない方がいいっで事・・?」
「それはお前が決めるんだ」
「・・・」



「何も藤堂の全てを奪って地獄をいきなり見せる必要はねぇって言いてぇんだよ、どうだ?」
「・・・」


アツコはすぐに熱くなて突っ走るから、納得させるのは難しいだろうとは思ったが、
多分わかってくれるはずだ。
じゃないと、復讐なんかして人を陥れた奴がその後平穏に暮らせるわけねぇんだ。
マスコミが騒げばカズに知られるのだって時間の問題だろう。カズと藤堂は面識もあるから
いずれたどり着くさ。

















ブリッジポート カフェ

Screenshot-46_20151025130426adf.jpg




Screenshot-11_20151025130425a96.jpg


Screenshot-13_20151025130427b32.jpg
「久しぶり」
「!」
ゆっくり振り返る藤堂は声に覚えがあったようだった。
Screenshot-14_2015102513043038a.jpg
「あんたか、まだ俺に用が?」
「大アリ!ま、長くはかからないからちょっと付き合ってよ」

「嫌だと言ったら?」
Screenshot-15_20151025131415028.jpg
「嫌だと言っても聞いてもらうよ、あんたにとっても重要な話だから」
「また俺に復讐しようって魂胆だろ?俺に喧嘩売ってどうなったかわかってるはずだろう?」

「そうね、私も愚かだったわ」

Screenshot-16_201510251314142f1.jpg
「私の夢も彼氏も仕事も友達も学校も・・・全部あんたに奪われたけど、大丈夫。全部取り返したから。もっと大事な事にも気づけたから、マイナスだけじゃなかったなって思うんだ。だからあんたを許すよ」
「はあ?なんであんたに許されるんだ?バカかお前」

「バカは君なんだよ藤堂カツナリ君」
「!?」

Screenshot-17_20151025131415fcb.jpg
「わかってないねぇ。これ何だと思う?」
「・・・・USBメモリー?」


Screenshot-19_20151025141543ee6.jpg
「そ。この中にこの街の人、もしくは一部の外国の夫婦が驚くであろうスキャンダルの一部始終が写ってる」
「・・・」
「なんだろうねぇ?心当たりはあるかい?」
Screenshot-18_20151025141542ae8.jpg
「・・・ないね。どうせハッタリだろ。俺がそんな嘘に騙されてアタフタするとでも思ったか?」
「そっかそっかぁ。わからないよねぇ見てみないと」
「いつまで続けるんだ?この茶番は。俺は忙しいんだ」

Screenshot-20_201510251415433f3.jpg
「クスリであの世の果てまで行きたくてたまんないってこと?まぁ待ちなさい」
「!?」
「この中には仮面パーティーである超お金持ち学校に通う優等生君が、あろうことかクスリをやってハイになってる様子がきっちりと収められている。疑うようならYOUTUBUにアップロードしといたからアドレス教えようか?」
「なんだと・・!?」

「うっそー。まだギリ非公開に設定してある。けど、私の気分次第では公開だって考えてる。どう?このデータを学校や親、マスコミに垂れ流せば、あ!!!!っという間にあんたは転落していくね。まるで“あの頃”の私のように、ね」
「お前・・・なんでそのデータ・・・!」

「なんででしょうか?」




Screenshot-95_2015080918274110bs_201510251435406ed.jpg

Screenshot-109_201508091844503f0s_201510251435421a2.jpg

Screenshot-22_201510251425072fe.jpg
「・・・!まさか・・・あの野郎・・!!」
「私にも彼にも手出しをしたらどうなるかわかってるよね?何かおかしいと思ったその瞬間、同時にあんたの人生もおわらせてやるから覚悟しといたほうがいいわよ」
「どうせ勇気もないくせに。俺が金出してやらなきゃあんたは何もできなかったし正しい選択もできなかった。夢見るだけで実現もできない弱い人間さ」
「・・・」

「ただ言われるがまま、流されるまま・・・。夢追いかけてキラキラしてますって顔して、友達捨てて事務所入ったのって自分のせいでしょ?彼氏ともうまくいかなかったのは自分の力不足でしょ?何やってもダメ人生のあんたに逆に夢見せてやったんだぜ?感謝してくれてもいいくらいだ」
「あんたさ、そうやって俺の金でしてやったんだとか偉そうに言ってるけど、所詮親の金でしょ?」
「・・・っ」

Screenshot-21_20151025142503e49.jpg
「親のスネ噛じりが!親がいなきゃ何もできないガキが大口叩いてんじゃねぇよ!」
「!!」
「たしかに、選択したのは私だ。私の力不足だったし、選択ミスだった。それに気が付けてよかったって思う。だから・・・あんたのおかげで成長できたのはたしかだよ。あんたも・・変われるから」
「俺は変わる気ねぇんだよ、今度は説教か?お前頭おかしいんじゃねぇの?」


カッチーン
アツコは何かが切れた感覚を感じた。




許す必要はあるのだろうか?
ねぇコウジ。
こいつは許される人間なの?
人を見下して生きてる奴は一度くらい地獄を見たほうがいいんじゃないの?



何度も何度も
ハチャメチャにしてやりたい気持ちになった。
でも何度も何度も
コウジが私に言ってくれた事を思い出しては落ち着かせている。


“お前はこんなとこで立ち止まるような奴じゃねぇ。もっと前に進むべきだ。カズとやり直すんだろ?仲間とステージに立って喜びを噛み締めてぇんだろ?未来のために、間違った選択肢を選ぶな”


“許す事で前に進める事だってあるんだ”




前に進むために・・・

こいつを・・許そう。

今度こそ、この選択は間違っていないはずだ。






Prrrrrr・・・


Prrrrrr・・・


藤堂の携帯の着信音が鳴り響く。
Screenshot-23_2015102514250548f.jpg
「出た方がいいと思う。お母さんかお父さんからの大事な話だと思うわよ」
「どういう意味だ!」
「さぁ?聞いてみれば?」

Screenshot-24_2015102514250773e.jpg
「・・・・・・・」



藤堂は確実に焦り、そして怯えている。
親に逆らえないくせによくこんな事し続けられたものだ。

Screenshot-25_20151025145836b21.jpg
ピッ
Screenshot-27_20151025145837194.jpg
「あぁ・・いや、誤解だよ。違う待って。俺の話を聞いて・・何を言われたかは知らないけど全部デタラメだよ、俺に嫉妬した奴が嘘吹き込まれたんだろ・・・・・え?」



Screenshot-26_20151025145838aa5.jpg
「・・・!?」


Screenshot-29_20151025145839c44.jpg
「・・・」















今から数日前・・・



ブリッジポートから6000Km離れた国アイラット


Screenshot-60_20151025154004276.jpg





Screenshot-36_201510251540068a8.jpg
「そんなお話、信じるとでも思って?」
「くだらん。私達は忙しいのだ。そのようなつくり話は結構だ、帰ってくれないか」

Screenshot-38_201510251540060b2.jpg
「信じられないのは分かります。ただ、この中身をご覧いただければ私を信じざるを得ないとおもいます」
「それは・・?」

「今話した事の一部始終を撮影した映像が入ってます」
「なんですって?」


Screenshot-37_201510251540053fb.jpg
「ちなみにバックアップは私の家と知人の家に存在します。このデータは差し上げます。あと・・世界中に配信できる動画サイトYOUTUBUはご存知ですよね?そこにも非公開設定ではありますが、アップロードもしておきました。」
「なんでそんなことをするんだ!」
「それはあなたたちの息子さんが同じように卑劣な手で悪さをし、私の人生をメチャクチャにしようとしたからです。要は・・・」


Screenshot-41_201510251545109e6.jpg
「あなたたちの躾が甘かったから、こんな事になったのですよ、お母様」
「・・・!」

「で、何が目的だ?金か?いくらだ?」
「公開しない条件はただひとつ。彼、藤堂カツナリを母国に即刻帰国させ、二度と戻らせない事。彼の顔を一瞬でも目撃した時点でこのデータをバラまきます。」

Screenshot-40_201510251545095d0.jpg
「・・・本当にそれだけでいいんだな?」
「えぇ、いいわ。私に何も迷惑がかからないように今度こそ目を光らせておく事です。でないと、あなたたちの息子さんの未来は終わりますよ」

「・・・・」


Screenshot-42_2015102515451267d.jpg




























現在


Screenshot-30_201510251549484f9.jpg
「・・・やりやがったな・・・てめぇ!!!」
「私に手出したら、わかってるよね?」
「・・・・!」

「帰国命令出たんでしょ?さっさと荷物まとめてこの国から出て行きな。そして二度と戻ってこないで」
「頭狂ってやがる・・・!」

Screenshot-31_20151025154947813.jpg
「何とでも。本当はこんな回りくどい事しないで、全部バラすつもりだったのを、忠告で終わりにするんだから・・・感謝されてもいいくらいだわ」

藤堂に言われた言葉をそっくり真似て言い返すが、特に反撃の言葉も返ってこなかった。
親には本当に逆らえないのだろう。

怯えた様子で頭がパニックにでもなっているようだった。


Screenshot-32_20151025154949101.jpg
「あ、あと・・・念のために心配性なお母様に薬物依存の更生施設の案内も渡しておいたからね。ちゃんと更生すんのよ?じゃなね」

と追い打ちをかけたのはアツコのちょっとした復讐心だった。







Screenshot-33_201510251549494a9.jpg

















私は少しは前に進めるだろうか。



もう誰かに怒ったり、
泣いたりするのは終わりにしたい。


私は私らしく。


復讐をするのが私らしいんじゃないくて、
笑って夢を追いかける事が

私らしいって


そういう人間になりたい。

そういう人間でありたい。




Screenshot-48_20151025155605b67.jpg
「うん・・・うまくいったみたい。藤堂はあのあと学校を転校したって・・・マスコミの取材のフリして電話したの」


「うん・・・



うん・・・わかってる。



ねぇコウジ。あの時・・言ってくれたこと、本当?」

Screenshot-54_20151025155602836.jpg
「ん?」
『すぐ夢に追いつけるし、友達だってまたたくさん作れる・・・優しくて器が大きくて自信に満ち溢れた奴だって言ってくれたでしょ。私、そういう人間になれるのかなぁ・・。こんな事したから神様は怒るかな・・』

「・・・お前は今までもお前なりに悩んで決めてきた事だ。間違ってもいい。間違ったからこそ気づけた事だってあるだろ?そうやって3歩進んでは2歩下がって・・ゆっくり、でも着実に前に進むのがいいんだよ」

「そうだね・・・ゆっくり・・・私自身を磨いていく。いつか輝いてる姿をカズにも見せるんだ。きっと・・大丈夫だよね。

ありがとう・・コウジ」



ピッ
Screenshot-47_20151025155559ccb.jpg







少しずつ前に進もう。
少しずつ夢を見よう。

少しずつ・・・


web拍手 by FC2

| sims物語本編 | コメント(0)

sims物語24 「俺が守る」

Screenshot-13_20150809172259412.jpg








Screenshot-54_20150809172258a51.jpg

Screenshot-55_20150809172259a82.jpg

・・・ガタッ

扉の奥で物音がする。


Screenshot-56_20150809172301694.jpg
突然入ってこられると困るので
しばらく様子を見ていた。

ゴトンッ・・・ドン
と扉を小さく叩く音がする。
「・・・見てこい」

Screenshot-57_20150809172303167.jpg
言われた男は
警戒しながら扉へ近づく。


Screenshot-58_20150809172745e03.jpg
扉をそっと開ける。
「・・・!」


Screenshot-59_20150809172748317.jpg
「何だ?」
「あぁ・・いや、すまねぇ・・ちょっとイラついてて」
「・・・他でやれ」
「悪い・・酒を浴びるほど飲んだが、全然効果がねぇんだ」
「知らねぇよそんなの・・」
そう冷たく言い放って扉を閉めようとしたが、
「なぁ頼むよ・・」
と言われて、閉めようとした手が止まる。


Screenshot-60_20150809172748269.jpg
「俺は酒に強すぎてな・・イラついて忘れてぇのに忘れられねぇ。いつもなら・・酒より・・その、アレを使うんだが・・。生憎今持ち合わせてねぇんだよなぁ」
「何が言いたい?」

Screenshot-61_20150809172751ccc.jpg
「わからねぇか・・?頼むよ、俺を助けてくれ」


Screenshot-62_201508091727510e6.jpg
「さぁな?悪いが、ここにお前が求めてるものはない。消えろ」
「・・そうか。それは・・悪かった。見込み違いか」
チラッと部屋の奥を覗き込むコウジを、男が邪魔をする。
「おい、何見てる!もう消えろ」

Screenshot-67_20150809173614c09.jpg
「あぁ・・だな。どっかで見た事ある奴がいた気がしたが・・」
「お前に関係ない」

Screenshot-65_20150809173614d54.jpg
「・・・まぁいいさ。入れてやれ」
奥にいたリーダーらしきの男が声をかけてくる。

Screenshot-66_20150809173613a64.jpg
「・・・運がいいな」
「・・・助かったぜ」















Screenshot-68_20150809174133d95.jpg


Screenshot-70_2015080917413599d.jpg

Screenshot-69_2015080917413560c.jpg
「・・・」


「緊張でもしてんのか?」
Screenshot-71_2015080917413752e.jpg
「さっきの話が本当ならはじめてじゃねぇんだろう?」

「・・実は、嘘をついた。悪気はねいぇんだ・・ただ、酒じゃ効かねぇのは本当だ・・楽になりたくて・・でも"こういうの″をどこで手に入れるのかもわからねぇし・・・」
「ふうん・・?」


Screenshot-72_201508091754218ab.jpg
こいつが藤堂カツナリ・・・
たしかに力を持ってそうだ。

とにかく今は怪しまれずに話をしていかねぇとな・・

「で?何があった?」

Screenshot-73_2015080917542418b.jpg
「・・・あぁいや言いたくねぇな。思い出したくねぇんだよ・・」
「そんな事言うなよ、俺らは仲間だ、なぁそうだろ?」
「はぁ、でもな」
「秘密は、なしなんだ。それがルールだろ?」
「あぁ、だな。死んだと思ってた親父が・・実は生きてて・・」
Screenshot-74_20150809175424ae2.jpg
「は?」
「しかも俺の知らねぇ娘までいて・・・それで・・その娘の母親が多額の借金作って・・」
事実と嘘を並べて語った。
嘘みたいだが、実際起こった自分の過去。


信じてもらえるかどうかなんて、どうでもいい。
ただとにかく
ヤクに染まってハチャメチャになりたい孤独な男を演じる必要があった。
参考にしたのは自分の叔父だ。
叔父のタイチはまさにその男そのものだった。


Screenshot-76_20150809175425c19.jpg
「・・・なんだその昼ドラ並のシナリオは」
「そう思うだろ?それが起こっちまうんだから、こうなるのもムリねぇと思わねぇか?」
「・・・・」

「いや、信じないならいいんだ。俺があんただの立場でも信じねぇと思うしな」
「いや、そりゃ大変だったな」



Screenshot-81_20150809180809eab.jpg
「ならさっさとヤっちゃえばぁ?」
横で女が話に入ってきた。

Screenshot-80_2015080918080840a.jpg

Screenshot-82_2015080918080985a.jpg

Screenshot-78_2015080918080599e.jpg
「さっさと忘ちまえよ、もうガキじゃねぇんだ。親なんていなくたっていいだろ。糞みてぇな親なんてさっさと捨てちまえ」
「・・・あぁ」

「でも俺は・・やり方を知らねぇ・・あんたを見て習うよ」
「・・・」

Screenshot-85_20150809182355430.jpg
「なるほどね」
そう言いながら藤堂は立ち上がり、ベッドにヤクの粉を置く。


Screenshot-87_2015080918235618c.jpg

よし、そのままやれ。
その姿をてめぇのバレたくねぇ奴らにバラしてやる。










Screenshot-131_20150809183521524.jpg
「どうやって録画するのよ?」
「コレだ」

Screenshot-132_2015080918352337a.jpg
「なに、それ?」
「超小型カメラ。これをこのスーツのボタンにつけておく。その時がきたら俺がきっちりとそいつの姿をこのカメラで押さえておくからよ・・」
「なにそれ!めっちゃスパイ道具!」


Screenshot-133_20150809183524e63.jpg
「これであいつの世界は全部パァになる」
「ふぅん・・・でも、もしあいつがやらなかったら?」
「まぁ、そん時は別の手を考えるしかないだろ」


Screenshot-134_201508091835268f4.jpg
「あいつにやれって強要されたら?」
「やらねぇよ」
「怪しまれるじゃん・・」

Screenshot-135_2015080918352712f.jpg
「なんとかすっから心配すんな」
「気をつけてよ・・・コウジ・・」




Screenshot-97_20150809184038d9d.jpg
(コウジ・・・)














Screenshot-86_201508091823571f3.jpg


藤堂が先にやるのかと
視線が集まる



Screenshot-89_201508091823597f6.jpg
「カジ、お前先にやれ」



Screenshot-90_20150809182738530.jpg
「あぁ」

Screenshot-93_20150809182739bcc.jpg

Screenshot-94_20150809182740f4e.jpg

Screenshot-95_2015080918274110b.jpg


藤堂はやらずにほかの連中が始める。

畜生・・
あいつがやらなきゃ意味がねぇ。
このままじゃ・・次は俺の番か。

「こうやんの、わかった?」
Screenshot-96_20150809182744b63.jpg
「・・・あぁ・・」

「親のイザコザなんて関係ねぇんだよ、楽しめ」
「・・・」
「そんで、さっさとそんな親捨てちまえ。今度はお前が捨てるんだ」

Screenshot-101_20150809205153181.jpg
「・・・」

くそ・・
まぁそうなるよな・・

大丈夫だ、吸わなきゃ平気だ。
少し吸い込んじまったとしても、すぐ元に戻る。

大丈夫だ。
吸ったと思い込ませれば、俺の次にこいつがやるはずだ。



Screenshot-103_201508091832293b1.jpg

コウジは意を決して吸う真似をする。

「・・・どうした?ちゃんと吸わなきゃ入っていかねぇだろ」
吸い込む真似をして身体が揺れる。

「もっとだ。足りないだろ、ほら・・」
「・・!」

Screenshot-100_20150809183227280.jpg
ガバッと立ち上がって、しばらく立ち尽くしている。
目の前がヤケにボヤけて見える。

Screenshot-105_20150809184443de1.jpg
なんだ・・・?



Screenshot-106_2015080918444719a.jpg
「ダイジョウブカ?」

くそ・・!
真似だけでよかったのに

少し粉が入ったのか?
油断した

Screenshot-107_20150809184447d69.jpg
これぐらい平気だ。
すぐに戻る

最初だけだ・・


Screenshot-108_2015080918444979c.jpg
「・・・いやな事忘れられそうか?」

ドサッ

Screenshot-109_201508091844503f0.jpg
「・・・」
「なかなか上出来だ」



Screenshot-110_201508091849462e5.jpg
「・・・」


藤堂に話した事は、半分事実であり、
一時期はよく言われてきた事だった。

"親なんてもうどうでもいいだろう″
"あいつはお前を捨てたんだ″

もう関係ない。
関わりたくない。
そう言って1人で生きていく事もできたはずだ。


Screenshot-111_2015080918494712f.jpg




嘘が多めではあったが、話している内に
過去の自分の気持ちが思い出されてきて
よくここまで親父との関係が修復できたもんだと
改めて思った。

よくやったな、俺も。


今は・・今はそこまでできる気がしねぇな・・

なんだろうな・・
なにもかもどうでもよくなってくる。
なんだか急に面倒になってきて、全てを投げ出してしまいたい。
親父の事とか、アツコの事とか・・

そもそも
なぜ俺はこんなことしてる?

何のために?







Screenshot-82_20130306213846_20150705192244de7.jpg




・・・。


これは薬のせいだ。
何のために?

俺は決めたんだ。
守る。
誰も傷つけたくねぇから・・・・




Screenshot-112_20150809184948861.jpg
「・・・!くっ・・」


もう俺のせいで
誰も傷つけたくねぇから・・


俺がやらなかったから

あいつは1人ででも危険な事しちまうから・・!

だから俺がやらなきゃいけねぇんだ。


Screenshot-113_20150809184950357.jpg
うぅ・・くっそ・・
まるで地面に落ちていくかのような変な感覚だ・・

妙にフワフワするっていうか・・




Screenshot-114_201508091849510f0.jpg
藤堂・・・!
逃さねぇぞ・・・・





Screenshot-116_201508091908489a2.jpg


























ガシャンッ!!
Screenshot-117_20150809190848003.jpg


バタン・・

電気が落ちる大きな音の後に
扉が締まる音がしたが
気にする人はもういない。

Screenshot-118_2015080919085047a.jpg
「なんだ!?」
「停電?いやぁ~だぁ~!」


既にハイになった奴等はおかまいなしに笑い転げる




Screenshot-119_20150809191134397.jpg

Screenshot-120_20150809191136bff.jpg













「いいか?」







Screenshot-40_20150809195052496.jpg
「大体15分くらいだ。それくらいになったら、この建物のブレーカーを落とす」
「うん、大丈夫。前回来たとき、奥の方のスタッフオンリーの部屋を見かけた事がある。多分そこだと思う」
「あぁ、ビルの構造的にもそこだろうな・・・」

「コウジ、15分くらいで平気なの・・・?」
「20分でもいい。とにかくなんとかその時間ないにうまくやるさ」



















・・・ナイスタイミングだぜ、アツコ・・・!










Screenshot-121_20150809191137e1e.jpg
「コウジ・・!」
「出るぞ」

2人は走ってビルの外へ逃げる。


Screenshot-122_20150809191138093.jpg

Screenshot-123_20150809191140fee.jpg





「はぁはぁ・・・」






Screenshot-124_20150809195448bc7.jpg
「はぁ・・はぁ・・・」

くそ・・走ったおかげで
余計に頭が・・グルグルと・・・



Screenshot-125_20150809195449aa7.jpg
「コウジ!?」
「だ、大丈夫だ・・」


Screenshot-126_201508091954551b9.jpg
「ちょっと!?もしかして」
「違う!なんでもねぇ」


「とにかく、成功はした!今はそれ以上話す事はねぇ」

Screenshot-128_20150809195452b71.jpg
「コウジ・・」
「もう帰ろう。後付けられても困るしな」

Screenshot-130_20150809195455bfa.jpg
「・・・・うん」









web拍手 by FC2

| sims物語本編 | コメント(1)

sims物語23 「もう誰も傷つけない為に」

Screenshot-13_20150705183946b06.jpg
金曜の夜がやってきた。
不定期に開催している仮面パーティー。

徐々に人は集まってくるが
決して大きいパーティーではなく
極少数な規模だ。

参加費は一般より高めで
告知も大々的に行っていない。
誰が資金を出しているのかも謎に包まれた
怪しいパーティーである。






Screenshot-14_201507051839510a0.jpg
スーツを着たコウジは待ち合わせ場所である会場の前で
待つアツコに声をかけると
すぐに振り向いてポージングをする。

Screenshot-15_20150705183949152.jpg
「どう?似合う~?」
緊張感はなく
いつも通りの彼女である。
いくつかお得意のポーズをしてみるが、
相手がコウジであるが故、まったく無反応でつまらない。


Screenshot-16_2015070518395172f.jpg
「お前、どこ行っても元気だな」

Screenshot-17_20150705183951a6b.jpg
「ってちょっとー!!!」
「・・?」
「仮面被ってんじゃないのよー!」
「よく見ろ。デザインも形も微妙にちがうじゃねーか」

Screenshot-18_2015070518492322d.jpg
「ちょっと似てるじゃん!真似しないでよ!」
「仕方ねぇだろ、店が同じなんだから」
「店同じにしないで!」
「お前が教えてくれた所だろ!」

「ん~~~もう!!!!テンション下がるぅ・・」
「変わってねぇだろ、行くぞ」

2人はパーティー会場へ乗り込んでいった。










Screenshot-19_201507051849227a0.jpg

Screenshot-20_20150705184923290.jpg

Screenshot-21_201507051849248e7.jpg

Screenshot-22_20150705184927a5b.jpg

Screenshot-24_201507051849553c1.jpg

Screenshot-25_20150705184957234.jpg
会場に入ってみれば
もう何人もの客が様々な仮面を付けて
身分を隠しながら、楽しんでいた。
音楽はガンガン流し、激しい腰つきで踊り狂い、
お酒やつまむ料理も用意され
シャンデリアや各色のライトが眩しく照らし、客を盛り上げる。

狭く、薄暗く、更に仮面を被っているのもあって
まるで普段のストレスから全て開放された野獣のように
開放感で溢れ、内気な人間も大胆にさせてくれるこの空間は
現実とは離れた別世界のように思える演出である。



Screenshot-26_20150705185804386.jpg
「・・・やっぱこういうパーティーって怖いね。パーティー自体は好きだけど、怪しい空気がすっごい・・」
「ん・・」

Screenshot-28_201507051858063eb.jpg
「見渡してみたけど、まだアイツは来てないみたい」
「そうだな・・」
「なんか緊張してくる。仮面かぶってるから分からないけど、見た感じ若い子ばっか・・大学生が多いのかな」
「ん・・」

「・・・ねぇ!コウジ、どうしたのよ?」
アツコが話してもあまりいい返事を返してこないコウジは
ただ下を向いてじっとしている。
「ビビってんの?」
「・・・」

Screenshot-29_201507051858087c5.jpg
「本当にやんのか?」
「なに・・?今更何を説得しようっての?」
「たしかにお前がされたことは許せねぇかもしれねぇけど、でも・・」

Screenshot-30_20150705185811b5b.jpg
「私、この半年の間にたくさんの別れがあった。たくさん喧嘩もした。辛くて、泣きたくて・・でも泣いてる私を抱きしめてくれる人も、慰めてくれる人も失って1人ぼっちになった」
「・・・」

「私なりにね、考えた上での道のはずだった。今だけ・・辛いのは今だけだって。自分に言い聞かせて、苦渋の決断もした。でも全部・・・お金で雇われた汚い人間が仕組んだ事だった。あれだけ悩んだ未来も全部消えて絶望した!このまま泣き寝入りした方がいいってコウジは言ってるんだよね?」
「アツコ・・」

「それならもういいよ。わかった。帰って」
「・・・」
「私が1人でやる、これは私の問題だし、コウジを巻き込む必要はないもんね・・ごめん」

Screenshot-27_20150705185808d27.jpg
「・・・・・・・」

私はやる。

私が悪い部分は認めるし許しも得た。
仲間と和解もしたし、カズとも・・カズとはまだ微妙だけど。
それでも私、どうしても許せない。

Screenshot-37_20150705191356713.jpg
「ごめんね・・コウジ。私はやっぱり・・・これが私なの」
「あぁ、わかってる」
「でも、コウジのおかげでココまで来れたし!後はうまくやれる」
「・・・あぁ」
「ありがとう」

Screenshot-38_2015070519135814b.jpg
コウジにお礼を言って、ニコリと笑顔を見せるアツコに
コウジは
「俺ならな」
と返し、アツコは頭に?を浮かべる。
「お前はもう顔がバレてる。どう頑張ったって無理だ」
「・・なんとかするよ、なんなら今からもっと大きくてバレなそうな仮面を・・」
「俺がやる」

Screenshot-39_201507051913587a6.jpg
「・・・コウジ・・・」
「この作戦は俺がやるから成功する可能性があるんだ。お前にまかせられねぇよ」
「・・・だって・・・いいの?」
「ただ、辞めるなら今しかねぇから確認したかった。俺がやりたくねぇんじゃねぇ」

何より、俺はもうあの日のようなことは起こしたくねぇ。
もう誰も傷つけたくねぇ。

Screenshot-82_20130306213846_20150705192244de7.jpg

Screenshot-94_20130306221838_201507051922458c0.jpg
俺が近くにいながら・・
俺のせいで・・・

もうアツコに危険なことはさせられねぇ・・!



Screenshot-40_20150705191400b37.jpg
「藤堂がこのパーティーでハメ外すっていったら女捕まえてイチャコラするだけかもしれないよ」
「・・・可能性の話だ。だが、アレは酔っ払ってるだけって感じがしなかった」
「なんでわかるの・・?」

「・・・。知り合いに・・・ヤクをやってた奴がいたから・・」
知り合いっていうか伯父だけどな・・・
「ふぅん・・?」

Screenshot-32_20150705192907204.jpg
「この客の中に、藤堂と一緒に小部屋に入る人間がいるはずだ。もしかしたら一緒には入らず時間差でって事も考えられるからよく見てろよ」


Screenshot-33_20150705192909c05.jpg

Screenshot-34_20150705192909ecc.jpg

Screenshot-35_20150705192911ce4.jpg

ズンズンと心臓に重く振動するようなミュージックの鼓動が会場を襲う。
酒が入ってハイになった客が次々と
激しいダンスをし始める。

「ねぇコウジ」
「ん」

Screenshot-41_201507051932495d4.jpg
「私のためにここまでしてくれて本当に・・感謝してるんだからね」
「・・・」
「ちゃんと分かってる。コウジが心配してる事・・・」

Screenshot-42_20150705193252dae.jpg
アツコの肩に手をおいて
「俺も・・ちゃんと分かってる」


Screenshot-43_2015070519325121c.jpg
「お前の気持ち、理解してっから大丈夫だ」
「・・・!うん・・」
「前は俺のために助けてもらったしな。今回はそのお礼と・・・あの時のお詫びだ」

Screenshot-44_20150705193253ee4.jpg
「・・・」

Screenshot-45_20150705193254462.jpg
「! ついにお出ましだな」

Screenshot-46_20150705193717016.jpg
藤堂は会場に着くと、たくさんの客と話し始める。
仮面をかぶっていても関係なく、話しかけている。

親交が深い人間が多くいるようだ。


Screenshot-49_20150705193720f79.jpg
「話してる人達、怪しいよね」
「だな。そのうち、奥の部屋へ行くかもしんねぇ、見逃すな」

Screenshot-47_20150705193723483.jpg
女性とも親しげに話し、酒を交わす。

Screenshot-50_201507051937224c9.jpg
「なんか変わってないわね、超遊び人だし、あのグループの中心人物みたいな立ち位置なのかな・・?」
「そんな感じはするが、何とも言えねぇな」

「あ、動き出した!行ったね」
「あぁ」
Screenshot-51_20150705193723ada.jpg
藤堂合わせて数名の男女が堂々と奥の部屋へと消えていった。
その様子をじっと見つめていた。
「どうする?」
「例の作戦でいく。ちゃんとできるか?」
「やらなきゃコウジが危ないじゃん!やれるよ」

「あと・・・10・・いや、15分待ってから俺が行く。あとはアツコ次第だ」
「まかせて」












所変わって・・・
Screenshot-137_20150705195650374.jpg

Screenshot-138_20150705195653790.jpg
「それで、明後日来店予定の増田様なんだけれども・・・」
「はい」
「あのお客様は最近こちらに引っ越されてね、前はサンセットバレーにある姉妹店のお得意様だったのよ」
「大岩さんが担当しますよね?」

「なに言ってんの!ここは、相沢さんにまかせるわ」
「え!いいんですか!?」
「その代わりヘマしないで」
「はい!」

それは何よりも嬉しい事だった。
お得意様というのは、今までは大岩さんが全て担当する事になっていた。
私はまだまだ半人前だし
ヘマは許されない。
もし、ヘマしてお得意様を怒らせたり、不満にさせたら
せっかく得た信用も失う・・・

完璧に成せてコソ、店長代理よ!
だから、これは期待されてる、信頼されてるって事で、
試される時。
私、頑張らないと!!


Screenshot-140_201507051956547d9.jpg
「あ」

Screenshot-139_2015070519565157c.jpg
「お疲れ様です、森田さん、今日はまた突然ですね」

Screenshot-142_20150705200835cb8.jpg
「やぁ、お疲れ。どうかな?随分と堂々としてきたじゃないか相沢さん」
「そ、そんなことないです!」


Screenshot-141_20150705195654156.jpg
「やだ、森田さんったら!お優しいのね。でも甘やかさないで下さい。まだまだですから!」
「はぁ・・それは失礼した」

Screenshot-143_2015070520504681e.jpg
「・・・とは言っても、激励する為に来たから、やっぱり言わせていただくが、売上好調、集客好調、なかなかやるじゃないか!」
「ありがとうございますう!全てはみんなの頑張りのおかげですわ」
「そうだね、大岩さんも含めてみんながいい接客をしてくれてるからだと思うよ。この調子で頼むよ」

Screenshot-144_20150705205048f3d.jpg
「あぁ、本当にお優しいお方ね、森田さんったら・・」
「いやいや、それも俺の業務のひとつだからね」
「業務と言いますが、森田さんの人柄もありますわ!」
「はは・・」


売上も集客も好調・・・
お得意様もまかされて
私、今が頑張りどきだ!

このまま順調にいけば・・・昇格も狙えるかな・・?
そんなに甘い世界じゃないのは分かってるけど、やっぱり夢見ちゃう。



「相沢さん」
Screenshot-145_20150705205047b1f.jpg
「あれからどうだい?」
「えぇ、お得意様も任されることになって、私ヘマしないように頑張らないとです」
「そうか・・いや、彼のほうだよ」
「・・・」

Screenshot-146_201507052050485db.jpg
「連絡は来たかい?」
「・・・今は私仕事でいっぱいいっぱいです。心配していただいてありがとうございます。あと・・・あの・・・彼のフリしてもらっちゃってすみません・・もうしなくて平気ですから」
「うん、そうだね」

「・・・私は今は、仕事一本でやっていきます」
「そうするにしても、彼にはちゃんと伝えないといけないんじゃないかな」
「え・・」

Screenshot-147_20150705210037739.jpg
「彼の気持ちをもう一度ちゃんと聞いてあげてほしいかな、いや分かってるよ?俺が口出す事じゃないね・・ごめん」
「・・・森田さん・・・」
「ただ・・ちょっとね・・」

「森田さん、口元、どうしたんです?」
口元は少しだけ腫れていた。
数日前、ケイに殴られた跡がまだ少し残ってしまっていた。

Screenshot-148_20150705210041160.jpg
「あぁ、これ?・・・ちょっと外で話さない?」

Screenshot-149_20150705210040622.jpg
「・・はい」











Screenshot-151_20150705210353816.jpg

Screenshot-150_20150705210352ec3.jpg
「この前ね、その彼にたまたま会ったんだよ」
「え!?」
「で、恋人と来ていたものだから、彼が怒っちゃってね」
「ケイ君が怒った?」

Screenshot-153_20150705210356ffd.jpg
「相沢さんを傷つけようとしてる俺を許せなかったんだろうね」
「・・・」
「彼に釘を刺しといたんだ。まだ愛してるのならゴチャゴチャ言い訳並べてないでまずはちゃんと向かい合うべきだからね」

Screenshot-152_20150705210355a62.jpg
「だからもう連絡は行ってるもんだと思ったけど・・・来てないのか。まったく何してるんだろうね」
「いいんです」

Screenshot-154_20150705211000c0a.jpg
「私、今は・・・・」
Prrrrr・・・・・
Prrrrr・・・・・
その時マナカの携帯に着信が入る。



Screenshot-155_20150705211001a9e.jpg
「あ、ちょっと・・・失礼します」

Screenshot-157_201507052110049af.jpg
「・・・」
ピッ

「出てもいいんだよ?」
「・・・いいえ、いいんです」

Screenshot-156_20150705211004eb1.jpg
「・・・連絡は、来てるようだね」
「!」

「彼からだろう?」
「・・・」
「どうして出ないの?」


Screenshot-158_201507052116004af.jpg
「・・・」

Screenshot-159_20150705211602df3.jpg
「もしかして、まだ自分を罰してる?」
「・・・!」


「私・・・たくさんの人を巻き込んで・・・たくさんの人に嘘をつかせたり、傷つけたり・・・!自分勝手だし・・
それに・・ 私、恋愛モードになると暴走したりして・・・自分の感情をコントロールするのがヘタで・・
仕事も頑張りたいし・・ 
 今更ケイ君に迷惑なんてかけられないし・・そもそもどういう顔していいかわからないいし!!ケイ君は彼女だっているし!その彼女は私の友達でもあるし・・・」

また、いつもの言い訳を並べる・・
そうやっていつも同じ事を言って・・・
それを理由に逃げてる。

ただ怖いだけなのかもしれない。


いや

怖いんだ。




実は数日前から鳴り続けてる
ケイ君からの着信を取れないでいる。


Screenshot-160.jpg
森田は優しく、マナカの腕に手を添えて
「まだ、勇気が出ないでいるんだね。きっと彼も分かってくれるはず。大丈夫だよ」

Screenshot-161_20150705212440d02.jpg
「・・・すいません・・・」
森田さんは、どこまでも優しくて、紳士的で
こんな臆病者な私の味方でいてくれる。

それがすごく嬉しかった。
ゆっくり気持ちの整理をしていかなきゃいけない。
分かってるけど

まだ・・・・

ケイ君
ごめんね・・・こんなに臆病で。

サキの事もあって、すごく怖いの。
これからどうなっていくのかを考えるのが怖い。
どういう顔で会えばいいのか怖い。
何を言われるのか分からなくて怖い。

その恐怖に打ち勝って覚悟ができるまで・・・






Screenshot-162_20150705212439f87.jpg

Screenshot-163_20150705212441d0e.jpg

Screenshot-164_20150705212441bb7.jpg
「・・・」







web拍手 by FC2

| sims物語本編 | コメント(0)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。