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sims物語70 「縮まる心の距離」

12月もあと少しで終わり・・・

今日のクリスマスが終われば
ツリーを片づけ、すぐに年越し準備をする。


気がつけば外はいよいよ雪積もり、数年ぶりのホワイトクリスマスになった。
町中では、子供たちが初雪を喜び、駆け回っている。



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ここ、BAR「サン・ソレイユ」は、
寒々しい日に入る客などいるはずがないと分かっていても
開店している。



そこに、迷える子羊が
奇跡的に1人、来店した。
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「迷路の末路1つ」
「いらっしゃいませ、ありがとうございます」

ケイはすっかりこの店の常連になっている。
家にはいても立ってもいられず、寒い中
わざわざお酒を飲みに来た。それに・・・
言っては悪いが、ここは客が比較的少ない。
おそらく立地条件が悪いのだろう。
人目につきにくい町外れにポツンと、たたずむ
民家のようなお店なのだから。

ゆっくりと考え事しながら、お酒も嗜める。
ケイにとっては、とても心安らげる場所である。
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「髪、切ったんですね」
「えぇ、バッサリと。長くて邪魔だったもので」

「似合ってますよ」

「ありがとうございます。ところで黒田さん、以前悩んでいた事は解決しましたか?」
「・・・まぁ、仕事は受けましたよ。このチャンスに賭けてみました」

「そうですか!それで・・・」
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「女の子とはどうなされました?」
「・・・あ、あぁ・・」

「すみません・・・余計なことでしたね」
「いえ!むしろ悩んでる最中っていうか・・・!」

「私でよければ聞きますよ」
ケイは、マスターの優しさに甘えることにした。

ケイは今までの事を話した。
自分の気持ちに気づいてしまったこと。
彼女が自分を忘れるために彼氏を無理に作っていたこと。
彼女にとって、どうするべきか迷っていること・・・すべてを。


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「・・・・なるほど。では聞きますが、あなたにとって彼女はどれほどの存在ですか?」
「どれ位・・・」

「正直に、彼女のことを本気で大切に想っているなら、その気持ちは伝えるべきです」
「そう思いますか・・・。でも俺はブリッジポートに引っ越してしまうんですよ。仕事も忙しくなるし。

・・・そばにいてあげられないんです。彼女はきっとそれを望んでいるから・・」



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コト・・・
山田は静かにカクテルをテーブルに置く。
「では、彼女にとっての幸せって何でしょうね?」



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「いつもそばにいてくれる彼でしょうか?僕は・・・違うと思います」
「え・・・?」

「彼女にとって、あなたへの片思いは長かったのでしょう?長い間つのらせた一途な想いを
勇気を振り絞って告白したのですよ?離れ離れになると分かっていて。
夢を追いかけると分かっていて、それでも支えてあげたいと、彼女が願ったから」

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「・・・・」

「その気持ちを素直にどう思いますか?」
「そりゃ・・嬉しかったです」

「彼女の覚悟はちゃんと伝わっているでしょ?」
「・・・・はい」
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「なら、もう答えは分かってるのでは?」
山田はニコッと優しく微笑む。




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たしかに、その通りだと思った。
彼女の強い想いは十分に伝わっていた。
俺がこんな臆病なばっかりに、彼女をあそこまで追い詰めていた。
それに気づかない俺は本当にバカだ・・・


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こんなどうしようもないバカを
一途に想い続けてくれた彼女を
全力で愛そう。

離れていたってきっと、大丈夫。
そう確信できる。
もう遅いかな・・・もう無理かもしれない・・・

でも、今度は俺が、告白する。いや、しなきゃだめなんだ。

ケイはグイッとカクテルを飲み干す。
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「話を聞いてくれてありがとう。目が覚めたよ」
「それは、よかったです」

ガタ・・・
席を立ち、ご馳走様、とあいさつをする。
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「彼女を信じて下さい。きっとうまくいきます」
「・・・はい、どうも」



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(きっと大丈夫。きっと・・・)

山田はケイの背中を見つめながら
心の中で応援するのだった。







一方、マンションでは・・・
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「マーナ」
「!」

家事を終わらせ、着替えを済まし、仕事に行く準備を終えたハンナは、
リビングに座ってTVを見ていたマナカに、優しく声をかけた。


「何があった?」
「・・・え?」

「最近、何も言ってこないけど、何があったの?」
「何も?何もないよ」

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ゆっくり隣に座りながら、嘘つかないで、と問い詰める。
「私に嘘つく気?」
「・・・」

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「辛いんでしょ?話して」
「別に・・・辛くないよ。むしろ幸せ!」

「・・・ふぅ~ん?」
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「私久しぶりに彼氏ができたの!同級生だった矢田君っていってね・・・」
「同級生ねぇ」

「うん、すごく優しいし、大切にしてくれるんだ。いつもそばにいてくれるし・・・」
「それで?」

「それでって・・・」
ハンナの冷たい視線と言葉が胸にズシリと乗っかってくる。
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「好きなんだ?その矢田くんって人」
「あ、当たり前じゃん!何言って・・・」

「そんなの嘘!うーそ!私を騙そうって?100年早いわ!」
「・・・」
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「あんたが好きなのは、今でもケイでしょ」
「ち、違うよ!彼はもう“過去の人”だよ」

「過去じゃない!あんたは逃げてるだけだよ!」
「でも・・・だったらどうしろっていうの?私、このままじゃ彼をちゃんと見送れない」
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「ギクシャクしたままじゃ無理だよ」
「ちゃんと理由聞いたの?」

「聞いたって傷つくだけじゃん!そんなの無意味だよ!」
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「だからってね、偽りの彼氏なんか作る必要ある?」
「あるよ!好きになるかもしれないじゃない!それに、すごく愛してくれるんだよ?」

「・・・だから?」
「だから・・・そしたら、彼への未練なんてなくなって、笑顔で見送れるって・・・」

ハンナは、フゥ・・・と、重たいため息をつく。
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「矢田君の気持ちは考えたの?」
「え?」

「彼まで傷つけるの?あんたは自分の気持ちに逃げてるだけ。まだケイが好き。
 いずれケイもあんたも、矢田君までも傷つける」
「・・・・・」
マナカは固まった。
自分のことで必死になって、彼の気持ちを振り回して、いつか傷つけてしまう。
そう気づかされた。
自分のことばかり考えてた。
バカだ、私・・・。

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「・・・そう、だよね・・・」

改めて、自分のケイへの想いが根強く心に残っていることを思い知らされた。
彼を忘れるって、こんなに大変で、辛い。
でも、フラれてしまったのは事実。

理由なんて、聞いても意味はない。
これ以上傷つきたくない。怖い。

でも、このままじゃ、矢田くんに失礼だ。
彼を傷つける。
つくづく自分の愚かさに、嫌気が差す。



その時だった。
つけていたTVはドラマから、緊急速報が流れてきた。

『番組の途中ですが、予定を変更して速報をお伝えします。
 ツインブルック市議の市宮サトシ議員が本日12時から緊急記者会見を開くと発表がありました。』

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『内容はまだ明らかになっていませんが、辞任するのではないかとの見方が出ています』



ハンナは口を開けたままその場で立ち上がり、流れる市宮サトシのニュースをボーっと見ていた。

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「ねぇ、ハンナ・・・市宮さん、辞めるって・・・」
「そんな・・・・早すぎよ!昨日のあのケンカですぐにこんな事になるなんて・・・!」

「昨日、何かあったの?」
「サトシがお父様と大喧嘩して・・・辞めるって言い出したの。でもいくらなんでも早すぎよ!」

そして、ハッと我に返ったハンナは急いで鞄の中をあさり、
携帯電話を取り出した。

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「私、ちょっと行くね!」
「う、うん・・気をつけてね」

ハンナは全速力でマンションを出た。
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どういうこと!?
これからは自分で決めるのはいいけど・・・

昨日の今日って・・・おかしくない?

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フと電話の画面に目をやると、着信とメッセージが15件も入っていた。
マナーモードにしていて気がつかなかったのだ。

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「編集長・・・すいません」
『お前何やってんだ!!ちゃんと電話身に着けておけアホンダラ!!』

「すいません・・・!ニュース見ました!今から向かいます!」
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『会見には田井中が行ってるから、直でお前も合流しろ!』
「わかりました!」

サトシと話したい。
何があったのか、ちゃんと話し合いたい。
その気持ちを抑えながらも
ハンナは車に乗り込む。
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ブォォォォォ・・・

凍ったアスファルトの上を
お構いなしに全速力で車を走らせるのであった。




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| sims物語本編 | コメント(4)

コメント

山田さん・・・何て良い人・・・!
こんな人が身近にいたらとても幸せだと思います。
ああでもコウジくんも好き!迷う!(何をだw)
そうだよマナカちゃん、ハンナさんの言うとおり
みんな傷ついちゃうだけだよ・・・(ノД‘。)
矢田くんはとても可哀相だけど、マナカちゃんには
ずっと想っていたケイくんと幸せになってほしいな。
でも矢田くんにも幸せになってほしい・・・!
そして市宮さん行動が早い!どうなるんでしょう・・・ソワソワ

2012年|11月|24日|21:44 |from ハト| URL

ハトさん
こんばんわ!
山田さん、いい人でしょ?立ち位置的に、悩み相談役のバーテンダーなんですが(そんなドラマありましたよね?見てなかったけど)
しばらくコウジ君のターンは来ないかもしれませんが、大丈夫。あと少しの山場潜ればコウジのターン!
マナカの愚かな行動がやっと本人も気づいたようでよかったですwマナカはたまに暴走しちゃうから、周りが気づかせないといけない子なんですよねーそれでも誰も傷ついてほしくないですねw
矢田君の幸せ?彼は。。。幸せにできるかな?
ww
コエmント本当にありがとうございます^^

2012年|11月|25日|18:24 |from ahiruchanet| URL

素敵

3,4日前くらいにこのサイトへたどりついて
お話全部読んじゃいました!
とてもおもしろくていっきよみです
こんなお話作れるなんてかっこよすぎます(´;ω;`)
続き、すごくすごーくたのしみにしてます
がんばってくださいね(*´ェ`)

2012年|12月|06日|21:52 |from しのぶん| URL 【編集】

しのぶん様
はじめましてこんばんわ!
こんなド素人で言葉もうまく伝えられないようなお話を読んで下さり、しかも褒めていただいて感動感謝です!!ありがとうございます┏○ペコリ
いやいや、もっと上手に作られてる方もたくさんいまして、私なんてヒドイレベルだなーなんて思ってるんですが、応援してコメントまでくれて、
勇気とやる気をかなり頂きました!
これからも、よろしくお願いいたします┏○ペコリ
また、いつでもいらしてくださいね♪仲良くしましょう\(^ ^)/

2012年|12月|06日|22:29 |from ahiruchanet| URL

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