sims物語74 「心がまた動き出す」

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市宮サトシ邸の前で数名のマスコミに紛れてハンナも立っていた。
たまにサトシが住んでいる階の窓を見上げたりして。

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既に家に帰っているという情報もあり、他社の人は
インターフォンを押したりしているが、反応はない。

その様子をただ黙って見ているが、途中
急に寒気が襲って身震いする。
ハァーっと吐き出すと白い息が視界を覆ってしまうほど大きかった。

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「先輩、携帯鳴ってますよ」
田井中の声にハッとする。

ポケットに入った携帯電話を探す。
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誰からだろう?

編集長?
マナカ?

着信の名前を見てドキッとする。
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「もしもし・・」
『・・・おぅ』
低くて優しい声。
とても聞きたかった声。
「サトシ・・・大丈夫なの?」
『俺は平気だ。その仕事はいつまで続くんだ?』
え?と窓の方を見上げた。

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「窓から見えた。」
『そう・・・収穫があれば動けるんでしょうけど・・・』

「・・・悪いな」
色々な意味が詰まったこの言葉の意味をすぐに理解した。
『いいのよ、私もバカバカしくて、もう帰ろうと思ってたとこよ。それよりお父様との事・・・』

「もう知ってるのか」
『こうなるって知ってたの?』
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「あぁ、分かってた」
『本当にいいの!?』

「こうでもしなきゃ自由になれなかった。そういう男なんだよ」
『でも・・・』

「後悔はしていない、お前は気にするな」
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「それなら・・・いいけど・・・」
思いのほか平気そうなサトシの言葉に少し安心した。
『年末は忙しいのか?』
「それなりに。誰かさんが辞任したり絶縁したりしてね」

『・・・そうか、残念だな』
「何よそれ?」

『時間があれば・・・・会いたいと思ったんだが』
その誘いに迷わず飛びつく。
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「どこがいいかしら?」
『忙しいんじゃないのか?』

「時間なんて何とでもなるわよ」
『・・そうなのか?でも目立つ店はマズイな、サンソレイユもダメだ。行き着けだとバレてるからな』

「うん・・・じゃあ・・・」
ハンナはどこかないかと考える。
1つだけ当てはまりそうな場所を思いつくが・・・
少し躊躇する。

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「ないなら、別のとこないか探しておくが・・・」
『いや、1つだけあるにはあるんだけど・・・』
と言ってなかなか話さないので、内容も聞かず、じゃあそこでいい、と答えるサトシに
ハンナは少し焦る。

『ちょっと待ってよ。私の叔母が隣町の海沿いに別荘を持ってるの。お酒が好きな人だからそこならって思ったんだけど・・・』
「あぁ、じゃそこでいい」
『・・・あ、そう・・』

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「じゃあ、また連絡する」
『えぇ分かった・・・』
と、電話を切った後、しばらく窓越しにハンナを見つめていた。




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何で言っちゃったのかしら。
別荘なんて・・・

別にいい大人がお酒飲んで話すだけ。
部屋もいくつかあったはずだし。

でも、言っていいのか分からなかった。
何もないって分かってるけど・・・



どこかで期待してる自分が信じられない。
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「いつまで続けるのかしら?」
「え?」

「寒いし・・・バカバカしくなってきたわ」
「何言ってんスか先輩!この仕事は忍耐だって言ったの先輩っすよ」

たしかに、
何を言われても何をされても忍耐と根性でネタを掘り起こす。
・・・これが私たちの仕事のプライドだって教えたこともあった。

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「私、帰るわ」
「先輩!どうしたんスか!?」

「体調悪いのよ」
「嘘でしょう!?何か変ですよ!この件に関して先輩いつも様子おかしかったっす!」

「そんな事ないわよ」
「市宮さんと何かあるんスか?」
田井中は薄々気づいていた。
市宮を追うときはハンナの様子がおかしいことに。
今日はずっとおかしかった。

ジャーナリストの田井中の勘は鋭かった。
それでも、関係ないわよ、とシラを切るハンナに
「編集長になんて言うんスか!」
と必死で引き止める。
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「大丈夫よ・・・ごめんね」
仕事を放棄するなんて事、今まで一度もなかった。
どんな状況でも仕事を優先する仕事一筋で生きてきたハンナだが、
今は、仕事よりも彼を守る事のほうが大事に思えてしまう。

自分でも思う。
ここまで自分を変えてしまう存在は今までいなかった。
田井中には申し訳ないという気持ちはあるけれど、
私はもう彼を裏切るなど、できなかった・・・。









一方、マンション
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ある部屋のドアをコンコンとノックする。
返事はないが、静かにドアを開ける。
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「・・・タオ?起きてるか?」

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「もう寝るのか?」
「・・・まだ寝てません」

タオはケイに小さな声で答える。
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ムクッと起き上がるが、ずっとしたを向いたままだ。
「その様子だと、フラれたか?」
「・・・・・・ハイ」

「辛いな」
「どうしたらいいですか・・・」
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ケイはイスに腰をかけ、うーん、と考える。
「どうって、タオはどうしたいんだよ?」
「分かりません・・・」

「分からないのか?」
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「まだ僕はサキさんが好きですが・・・カズとは仲良くなりたいです」

「そっか、カズと仲直りしてないのか」
「連絡しましたが、出ません・・・」

「タオ、俺は諦めたくないなら、無理に諦める必要ないと思うんだ」
ケイの言葉に顔を上げて、ケイの横に座る。

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「でも、迷惑ではないでしょうか?一回お断りされているのに・・・」
「サキはなんて断ったんだ?」

「そういう風に見てない、と」
「なら、尚更諦めるな!」

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「俺は身をもって思った。今までそういう風に見てなかった子から告白されて、サキみたいに断った。
 たしかに嬉しかったんだけど、そういうんじゃないと思ったし、好きになる保証もない、
 しかも離れて暮らすんだから」
タオはうなずきながら聞く。

「でも、告白されてから意識し始めてた。今では断ったのも後悔するくらいさ。」
「さ、最近の話ですか?」

「うん。だからさ、1回や2回フラれたからってすぐに諦めちゃダメだよ」
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「諦めないで迷惑だと思われませんか?」
「・・・迷惑だなんて思わないよ。サキはお前を男としてまだ意識してなかっただけだ。今はまだチャンスなんだよ」
ケイの言葉にまた勇気付けられる自分がいた。
ケイの実体験だからこそ、余計に心が動かされる。

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「それに、まだカズとはちゃんと話し合ってないんだろ?」
「はい・・・」

「何とかカズと連絡して話し合え。大丈夫だよ」
「そうですかね・・・・」

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「俺も人の事、エラそうに言えないんだ。俺も頑張らないと」
「そうなんですか?」

「俺も似たような状況だし。お互い頑張ろう」
「・・は、はい!!」

スッと立ち上がり、笑顔を見せるケイに笑顔で答える。
ケイに何度も勇気付けられる。
彼は本当に頼りになれる。
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「あと数日で俺はいなくなるけど、俺がいなくても悩むなよ。諦めるな、男をアピールするんだ」
「男を・・・アピール・・・」

「そう、ただの友達って雰囲気じゃなくて、男だって意識させるんだよ」
「難しいですね・・・」
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「ははっ!言ってて俺もできるかどうか分からないけど。」
「ケイ君、いなくなるのは寂しいですね・・」

「大丈夫だよ、タオならできるって!だから早くカズと仲直りしろ」
「そうですね。分かりました」
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「じゃ、それを言いに来ただけだからさ」
「はい、ありがとうございます!元気でました!」

「それなら良かった、おやすみ」
「おやすみなさい」




パタン・・・
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ケイはあと数日でいなくなってしまう。
ケイにいつも救われた。
彼がいなくても、頑張っていかないと・・・。




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| sims物語本編 | コメント(8)

コメント

改めまして、あけましておめでとうございます!
今年も仲良くしてくださーい♪

そしてダミアン様くださーい!
(お前、くださいつながりで何言ってんの?)

まさかの74話がきてたー!すごくうれしいいぃぃ~~~vvv
サトハン キタ(゚∀゚)コレ!!(略すなww)
もうなんていうか男女のこういうやり取り、超好きです。
別荘って、どういうこと?別荘ってどういうこと?!
ハンナさんってば、そういうことてサトシ思っちゃうよ!!(*´Д`)

そしてあれだけ三角関係を楽しんでいたくせに、
正直コウジ君に夢中で、タオくんを忘れてましたorz 超ごめん・・・

ケイ君、
人の相談にのるのはさすがだけど君自身はどうするの?!
ますます目が離せないなぁ・・・・
サトハン期待してます!(お前・・・)

2013年|01月|02日|21:14 |from りぐのえる| URL

りぐのえるさん
あけましておめでとうございます!
是非仲良くしてくださいー^^
そんで、ダミアンはあげませーんwww

サトハンとな!?ww
ハンナとサトシの別荘で一杯・・・むふっ!
大人の男と女が何もないで終わるわけないよねーwww

忘れられたタオ・・・でもこれだけ登場人物いれば忘れられるよね!うんw
ケイ君もそろそろマンションからいなくなっちゃうから追い込みかけないとね!!
どうなるかなー?コメありがとうございます^^

2013年|01月|02日|23:23 |from ahiruchanet| URL

ahiruchanetさん、遅くなりましたが明けましておめでとうございます~♪そして今年もどうぞよろしくおねがいします^^

ハンナとサトシは・・・お互い精神的に大人なせいかゆっくり、でも確実に距離が縮まっていってますね!ハンナは面倒見のいいお姉さん気質なのでサトシの決断のあとも見守るような気持ちでいるのかな。
別荘で落ち合う・・・なんてロマンティック!大人な二人にぴったりなロケーションですねえ♪次回が気になる!ahiruchanetさんなら・・・きっとステキなアダルティ展開にしてくれると期待してます(笑)

そしてケイくん!ようやく自分の気持ちを自覚して行動に移してくれそうな予感!!
タオ君も諦めずに頑張るんだ♪

2013年|01月|04日|14:15 |from LoveFlower888| URL

LoveFlowerさん
あけましておめでとうございます!
今年もどうぞお願いいたします~

え・・・え!?アダルティ展開ってか!!ww
う~ん期待されていてプレッシャーがww
でもこういう展開でこういうシチュでっていうのはもう決まってるので、ご期待に沿えるか分かりませんが、でも大人でロマンチックなシチュになればいいなぁとは思ってますよ!?w
ケイ君もね、もう動いてくれないと!そろそろ君たちも何とか解決してくれないと!!w
コメありがとうございます^^

2013年|01月|04日|17:26 |from ahiruchanet| URL

こんにちは!

実はね、まだあと一歩完読に至っていないので
コメしていいか迷ってたんだけど人物相関は大体理解してるので
コメっちゃいます^^;

ハンナちゃんととサトシさんの関係はいい感じに距離感があって
それでいてお互いを認め合ってる部分もあるっていうか・・・
じれったいようであり、いい関係でもあり・・・
という風に見させてもらっています^^
この後別荘で会う二人・・・どうなるのかな?(・∀・)ニヤニヤ
ケイ君もタオ君も頑張れ!

長きに渡って作り込まれてるお話だけあって、
人物それぞれに色んな背景があって素敵です!
私も見習わなくっちゃ^^

2013年|01月|04日|18:24 |from mirumom| URL

mirumomさん
全然いいっす!たいしたもんではないですからww読んでくださるだけでもうれしくて泣ける!!

この2人は私の中でゆっくりゆーっくり距離を縮めてもらいたいカップルなんですよね~
大人だからこそ!すぐくっついて喧嘩してでもやっぱり愛してる!なんて、そんなカップルにしたくない!!www
でも、ゆっくりだからこそ、他のキャラにはあまりないようなシチュも入れていけたらいいなぁという「願望」はあります!

たしかに、長いので愛着もキャラも成り立っていて作りやすいし、色んな歴史がそれぞれに生まれますね!コメありがとやんしたー!!\(^ ^)/

2013年|01月|04日|19:16 |from ahiruchanet| URL

こんばんは!お邪魔いたします〜!
遅くなりましたが、明けましておめでとうございます(*´ω`*)
おおおっ!今回もハンナ&サトシの回!
そろそろバレバレかもしれませんが、私の一番応援している二人ですw
さりげなく?年末に誘っちゃうサトシが素敵ですね!(*´ω`*)
飛びついちゃうハンナも可愛い!
でもって、ケイ君とタオ君の友情!立場は正反対だけど、だからこそ響くものがあったのかなぁ、とか。
タオ君頑張ってー!(ノд-。)
ではでは、今年もよろしくお願いします(*^^*)

2013年|01月|07日|19:56 |from lira| URL 【編集】

liraさん
こんばんわ!今年もどうぞよろしくお願いいたします!
表には出さないようにしてますが、2人は自然と惹かれあっていて、許していて、そしてホッとする相手なんですよね。そういう関係って羨ましいと思うんですよね。求め合う関係が。
偶然にもケイの経験がタオに役立ったというかwタオもね~諦めるのは早い気がするんですよね。
コメントありがとうございました!

2013年|01月|07日|22:03 |from ahiruchanet| URL

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