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sims物語14 「前を見て」

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1 (32)
ドシッと鈍い音を立てて森田を軽く殴ると、
あっという間に崩れて倒れこむ。

ケイと違って、鍛えているワケではないからか、
拍子抜けするほどだ。
それとも抵抗する気がないだけか?


1 (33)
「あんた、ゲイなのか?!そういう事だよな!?」
「俺がゲイだったら何かまずいのか?男が男を愛する事に偏見でも持ってるのか?」
「違う!マナちゃんがそれを知ってるのかって事だよ!」

「おい、まず離せよ」

1 (34)
「マナちゃんをカモフラージュに使ってるのか!?彼女を傷つけるなんて許さないからな」
「待て!!まず離してくれ・・」

1 (35)
「そうやって本当の気持ちを隠して、傷つけてるのは・・・お前だろう?」
「・・・・は?今はお前の話をしてんだよ」


1 (36)
「離せよ!」
一瞬、胸元を握り締めてた手が緩んだ隙に
森田は思い切り、抵抗して身体を離した。


1 (37)
「マナカちゃんをカモフラージュ?そんな最低な事はしてない。彼女にゲイだという事は伝えていないが、隠してるつもりもない」
「同じだろ・・」
「そもそも、彼女の為に彼氏のふりをしただけだ。もうそのフリもやめるつもりだ」

1 (38)
「・・・フリ?」

1 (39)
「彼女はね、随分長い間片思いをしてるんだよ、今も。でも過去に自分がやらかしてしまった事を引きずっていて前に進めないでもがいている。なんせその片思い中のだらしない男は女を作ってるらしいからね。自分の気持ちを隠したいみたいだから、その時だけ利用して構わないって言ったんだ」
「・・・」


1 (40)
「過去に囚われすぎて前に進めないでいる彼女が可哀想でね、自分自身に罰を与えてるんだよ。おかしいだろ?言いにくいのも分かるけど、過去の過ちを悔やんで気持ちを隠して生きていくなんて、酷な罰じゃないか。ましてや彼女は見るからにキャリアウーマンっていうより・・・恋のお話が好きな今時の乙女なタイプだと思うんだけど、どうかな?」
「・・・」
「そう思わない?あれだけ長い間、同じ男を片思いできるってスゴイと思うのに、それを隠していくなんて、どれだけ辛い事だろうね」

1 (42)

1 (43)
「俺はマナカちゃんが自信持って前に進んでほしいと思う。けど、それ以上に俺はその優柔不断な男に腹を立ててるよ。これだけ苦しめてるその男にね」

1 (44)

俺が、森田さんの立場なら。

俺も腹を立てていただろう。
ウジウジと悩んで、彼女の苦しみをまったく知らないまま
過去の事にしようとしていた、その男に。

奥底にある気持ちを隠し、フラれたからと遠慮をして
別の女性と付き合って、ごまかして。
そんな彼女を包み込んでやる事もないまま
随分、月日が経ってしまっていた。

1 (45)
「俺もね、最初はゲイだという事で世間の目が気になって、好きになった子がいても隠し続けて苦しんだ過去があるんだ。それはもう辛かった。決して報われない未来を想像する度に、もういっその事消えてしまいたいと思った。だから地元から遠いこの場所で生活するようになって・・・。その時、彼と出会った。彼は自分がゲイであるとすぐに打ち明けていてね」

「すごいなぁって思ったんだけど、彼曰く、“同性を好きになるのは悪い事じゃなく、普通の事だよ。そうやって隠していたら出会える運命も出会えなくなる。もっと自信持って。世間は君が思ってる程、冷たくもないはずだ”と言われた時、自分の考え方がどれだけちっぽけで、臆病なものだったか思い知った」




1 (46)

「もっと真っ直ぐ前を向いて歩いてほしい。余所見しないで。そうやって嫉妬してる暇があるなら、早く彼女を迎えに行け」
「・・・」

1 (47)

1 (48)

何やってんだ・・俺・・
あまりにも自分がガキすぎて
あまりにも相手の言い分が説得力ありすぎて
へこむ。

こうやって長い間、すれ違っていて
気づいたときには、遅すぎて
むしろどうしたらいいのか分からなすぎて
前向くより余所見していた。

目の前には彼女が見えた。
手を差し伸べれば届く距離だった。
このまま真っ直ぐ歩いていけば抱きしめてやれた。

すごく苦しんでいるのに
見て見ぬフリをして
気づかないフリをして

ずっと余所見してきたのは

俺だ。


















2 (45)





夢を持ち続ければ

未来は明るく見える


恋をすれば

明日にときめく



仲間と笑えば

勇気が持てる



そう信じてた。
思い描いてた未来が近づけば近づくほど
胸が躍るようで
足取りも軽く、輝いて生きていける。


何もかも

何もかも


順調だった私の未来が

少しずつ崩れていって・・・

本当に少しずつだったから、どれくらい崩れていたかなんて気づかないで

ただ、目の前の可能性を信じて歩き続けていたんだ。
まだ大丈夫。何とかなる。
今を乗り越えれば、元通りだ。
そんな具合で。


フと我に帰って振り向けば

今まで歩いてきた道筋は消えていて


その代わり、そこにいたのは
201407082132560fcs_20140721161539442.jpg
あいつだった。









2 (44)
「大丈夫か?」


2 (46)

2 (48)
「ごめんね・・急に呼び出して」
「いつものお前らしくない電話だったからな」

「こんな話、話せるのはコウジしかいなかったから・・」
「・・・何があった?」











私は今までの事、全部話した。
不思議な事に、コウジには何でも話せた。

・・・“あいつの存在”や“あの事件”の事を
唯一知ってる人物だったし。



2 (47)
「・・・俺にしか話せないってのは、そういう事か」
「私、してやられたよ」

「随分悪質だな。楽しんでる感じがするし。コレだから金持ちってのは・・。金は自分を守る武器になる。金さえあれば無敵だと勘違いしちまう。そいつ自身を少しずつ蝕んでるのにも気づかずに。人の心を簡単に汚しちまうから、持ちすぎてもいけねぇんだよな」
「たしかに私が悪い事したと思ってる。でも・・」
「お前が悪いんじゃねぇ。正当防衛だ。それに、あんな場所に連れてったのは俺だ、だから俺が悪い」


2 (53)
「違うよ!私が行くって言ったんだもん」

2 (49)
「いや、俺が止めていればあんな事にはならなかったはずだ。悪かったな」
「・・・そんな事は・・」

2 (50)
「でも・・・私何もなくなっちゃった・・・。全部あいつに奪われたよ。もうやだ」
「諦めるのは早いんじゃねぇのか?」
「・・・」

2 (52)
「俺は何度も諦めかけたし、挫折も絶望も味わった。でも、やれる事はたくさんあったぜ?仲間はみんなお前を恨んでるとは限らないし、カズも浮気と確定したわけじゃねぇ。事務所だってやりてぇことできなかったんだから、また1から出直せばいいじゃねぇか」
「・・・・・できるかな・・」
「俺ができたんだから、お前もできる。そんな弱ったお前はお前らしくねぇよ」








そう言われて、少し自分を取り戻せた。
諦めるのはまだ早い。

ここで立ち止まるのは私らしくないよね。
まだ可能性がある限り、
私は・・前を見る。



2 (55)
「やられっぱなしなのも、私らしくない、よね?」
「うん?」

「殴って置いてったのは悪かったけど、私の全てを奪うのはやりすぎだよね」
「まぁな」
「あいつ、ゲームって言ってたんだよ。それなら、このゲーム・・・乗ってやろうと思うんだけど」

2 (56)
「・・・・キリないだろ。それに向こうは金持ちでコネもあって悪質だ。関わったらそれこそ未来まで潰されちまうかもしれねぇだろ」
「私に泣き寝入りしろって?」
「俺はお前が心配なんだよ、熱くなったら突っ走るだろ、お前」

2 (57)
「だからってこのままは嫌!私は私らしく生きていく」
「でもな、お前・・」

2 (54)
「この半年・・・あいつのせいで惨めだったんだよ?半年だよ!?黙っていられない!」
「だからってどうするんだよ!」

「まずはあいつの事を徹底的に調べ上げる。同じ事してやるんだ」
「そんな事して何になるんだ?これは遊びって範囲じゃねぇだろ」
「ゲームだよ!」
「・・・!」


2 (58)
「これはあいつにとって、ゲームなんだよ。なら、あいつの決めたルールに従って、負かせてやろうってんだよ!」
「・・・後悔しないか?」

「全然。これが、私なんだよ。だから強力して。調べるだけでいいよ。後は私が勝手にやる」
「そんなワケにはいかねぇ。俺がやる」

2 (60)
「・・・責任感じすぎだよ、コウジ。私コウジには感謝してるんだから」
「本当にいいんだな?」

「オッケー。はい」
そう言って、手を出す。
「・・・なんだこれ?」
「手を組むんだから、握手だよー」

2 (64)
「・・・はぁ・・・分かったよ、ただ。絶対危険な事だけはするなよ」
「オッケー。探偵でも雇う?」
「いや、今うちの探偵は別件で忙しくて使えねぇから自分たちでやるんだ。俺が何とかする」

2 (63)
「分かった。連絡して」
「その前に、お前はお前で、仲間なり彼氏なり、ちゃんと仲直りしろ。ちゃんと話せば分かってくれる」
「うん・・・。このことは誰にも言わないでおく、今は」

「なんで?」
「全部あいつのせいにしたいけど、正直そうでもないって思ってる。私にも悪い部分たくさんあったから・・・。それについてちゃんと謝って許してもらおうと思って」
「・・・なるほど。大人になったな」

2 (62)
「偉そうに!もう早く握手!手疲れるよー」
「チッ」

2 (65)
パチンッ
と小さな音を立てて、握手ではなく軽く手を打った。

2 (66)
「今日は来てくれてありがとう」
「別にいい。困ったら連絡しろ」

「うん」
コウジは、本当に優しい奴だ。
こんなに優しくされるのは久しぶりだった。

安心して話せるから
ついつい甘えてしまう。

2 (67)
「じゃ、また連絡すっから。お前はしっかりやれよ」
「うん、こっちは大丈夫。元気戻った」
「なら良かった」

2 (68)

2 (69)

これから、私は
今まで歩きながら払ってきた“小さな犠牲”という名の
大きな存在を、取り戻さないといけない。






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| sims物語本編 | コメント(3)

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2014年|07月|23日|14:06 |from -|

No title

こんばんは~!更新お疲れ様です(´▽`)

前回の終わりからのケイ君、森田さんを殴っちゃったのね!
少し驚いたけど、ケイ君は森田さんがゲイをカモフラージュする為にマナちゃんを利用したと思って怒ったんだね。
その態度は友達として、男としてはカッコいいけどね、自分の気持ちから逃げてる優柔不断な男としてはどうかな?(´∀`;)
森田さんの言う通りだと思うよね。
ゲイの方がどんな悩み・考えを持っているかは実際の所分からないけど、
そういう人達は異性愛者の人達より厳しい現実の中で苦労も多いと思いますよね。
そんな森田さんの言う事だから、余計に旨に響くし自分の甘さも感じたんだろうな。ケイ君も。
森田さんが気付かせてくれた事を無駄にしないように、ケイ君にはマナちゃんに向き合って欲しいですね(*´∀`*)
頑張れ!頑張れ!

アツコちゃーーーーーん!
相談したのはコウジ君でしたか!そうだよね、あの時一緒だったもんね。
アツコちゃんは何事にも前向きでいいんだけど、ちょっと心配です(^^;)
泣き寝入りは嫌だ、仕返ししてやると言うアツコちゃん・・・大丈夫なのかなw
普通に考えて、立場とか諸々あちらの方が上手な気がしますが・・・心配www
コウジ君も止め切る事ができなかったようだけど、つまりは大丈夫なんだと信じたい^^;(展開的に)
アツコちゃんの考えるように、“小さな犠牲”という名の大きな存在を取り戻せたらいいですね!

次回も楽しみにしてまーす♪

2014年|07月|24日|19:15 |from mirumom| URL

mirumomさんへ

こんにちわ!

前回、森田を見つけて、店の裏路地で話す事になったみたいですが、
かもふらーじゅに使ってるんだと思ったケイは思わず・・・ね。

ケイが言ってる事は、かっこいいし、ごもっともだけど、その言葉はそっくりそのまま返したいね。
森田は決して悪いことはしてません。
自分がゲイだと自覚したとき、特に苦しむのは学生時代だと思います。
(ま、ここらへんはTVのオカマタレント様のエピソードを参考にしてるんですけどw)
なかなか自分の気持ちって言い出せないんですよね。怖くて。
だから気持ちも分からなくもないのですが、いつまでもモジモジしてるケイに対して
森田ももうイラッとしたんでしょうね・・・。

> そんな森田さんの言う事だから、余計に旨に響くし自分の甘さも感じたんだろうな。ケイ君も。
ここまで言われて、ケイは何もしないなんて許されないと思うのですよw
行動してくれ!ケイ君!><

そしてアツコですが、アツコとあの男を知ってる人物は彼しかいません。
アツコの性格からして、この流れは避けられませんねwww

> 泣き寝入りは嫌だ、仕返ししてやると言うアツコちゃん・・・大丈夫なのかなw
何事もめげない姿勢は素敵だけど・・・危なっかしいですねw
アツコとコウジが再びタッグを組むという事は
何かしらの策略であの男に仕返しする流れに・・・。
作ってるほうは結構楽しい流れですwwこの2人が一緒のときは何かしら事件起こすので
危険ですが、見守ってやってくださいw

> 普通に考えて、立場とか諸々あちらの方が上手な気がしますが・・・心配www
金もコネもあるから危なそうだけど、親の金でいきがってるボウヤですよ(˶′◡`˶)フ・・・

コメントありがとうございました!

2014年|07月|26日|17:48 |from ahiruchanet| URL

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