スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2

| スポンサー広告

sims物語26 「一世一代の決意」


アル・メディーナ



いつでも暖かい気候のこの国では
午前中に仕事をこなし、午後は酒場でひと時を過ごす人々が多い。

俺は、というと・・・

しばらくこの街で落ち着こうと決めてから
居候の条件として出された仕事は家の雑用及び
夕食作りをまかされた。

店で出す酒やら食品、夕食の具材等もかねて買い物にいく。
ブラブラと散策してから帰宅

現状バーはマスター1人で十分で
マスターはそこをどこうとは思わないようだ。
帰宅して酒をバーカウンターで数杯飲んでから
夕食の支度を始める

というのが日課になり、まるで主夫だった。
というのも、普段マスターは、この家に1人で住んでいる。
息子のサイードは嫁と子供がいて、別の家に住み、バーではない仕事をしている。
老人の1人暮らしが心配で、俺を雇ったのだという。







Screenshot-60_20151227135817901.jpg
「ここはええじゃろ?ずっといたい街じゃろ?」
とマスターが初めて会った日と同じように話しかけてきた。
「・・・?あぁ、しばらくはココに落ち着くつもりだ」
「この土地の美味い水の虜になったわけだな、へへへ」
と乾いたような声で笑う。

「あんたは結婚してんのか?」
「いやしてない」
「女はおらんのか?」

Screenshot-61_20151227135818ad3.jpg
「いないね」
「女の1人もいねぇで旅しとんのか」
「いや・・正式にお付き合いはしてないんだ、でも・・。心にはずっとその人がいる」
「ふむ、いつかはその人と結婚でもする気はあるのか?」

そう聞かれて、少し考える。

Screenshot-62_20151227135819523.jpg
「どうかな、それは・・・可能性は低いよ」

「なんじゃハッキリしないなぁ」


迎えにいきたいとは思っていた。
いつか、迎えに・・・。そう願っていた事もあった。

旅をし始めて随分経つ。
時間と共に願いは変わってきていた。

もう彼女は俺のいない世界で生きている。
幸せに暮らしているなら邪魔はしない。



・・・結婚、か。

考えた事ないのか?と聞かれたら嘘になるが
彼女の人生を俺が振り回してはいけない。
俺は政治世界を去り、家族と離れて勝手に旅をして回っている身。
将来の安定も夢もない自分と一緒に、なんて
できやしない。幸せにしてやれる自信もない。


彼女はもう俺の事など忘れているだろう。
別れの時・・あの時、少しギクシャクしてしまったから
心配してるだろうと思い手紙も2度送ってきたが
これからずっと未練がましく送るつもりもない。


彼女はもう新しい世界を歩んでいるだろうから。




Screenshot-64_201601101217291cd.jpg
「その女はまだ待っているかもしれんよ?」
「随分、経ったから・・・別れてから。それから連絡を取り合ってもいない。彼女が幸せならそれで、俺は十分なんだよ」

「取り合うのを避けたのはお前さんじゃないのか?」
「・・・あぁ、そうかもしれない、でもこれでいいんだ」
「ふむ」


避けたのは、たしかに俺だった。
でも
俺の決めたレールに巻き込んでしまいたくなかった。
あいつはあいつのレールを歩んで欲しかったから、
だから俺は去った。
握っていた小さなあいつの手を手放した。

























ドダダダダァーン!


朝方にとてつもない衝撃音が家中に響き渡った。
俺は飛び起き、音のした場所へ行くと
マスターが倒れ込んでいた。
どうやらマスターは自宅の階段からころげ落ちて、
気絶しているようだった。

すぐさま救急車にて運ばれていった。









Screenshot-34_20160110122156152.jpg
息子のサイードが病院に着いて
事情を説明した。

マスターの命に別条はなかった。
が、骨折していたためしばらくは入院生活となった。

店は3日程休業したが、マスターの希望で
店を再開する事にした。



Screenshot-38_20160110122156922.jpg
「仕入れお疲れ様」
そう言ってサイードが酒を出してくる。
「・・・どうも。俺、店番してますよ?マスターんとこに行ってていいですよ」
「嫁が看てるんで大丈夫さ、それよりすまないね、親父が入院しちまったせいで店や家を守ってもらっちゃって・・・居候とはいえ、客なのに」
「そんなことは気にしないでいいです、マスターどうですか?」
「それがねぇ・・ただの骨折でも、親父ももういい年だろ?こういうので寝込むと急激に体力も落ちるって言うしねぇ」

Screenshot-37_201601101221565eb.jpg
「随分滅入ってるんですか?」
「介護生活で随分気持ちが落ち込んじまってねぇ・・こりゃ店も閉めなきゃいけなくなるかもしれないわ」
「そんなにですか?」

Screenshot-36_2016011012215409f.jpg
「・・・・」
サイードは急に黙り込んでしまう。
この店がなくなってしまうのは俺にとっても辛い。
ゆったりと酒を飲んで過ごす午後は
静かなこの場所が一番良い。

「実はね・・・・それだけじゃないんだ」
「?」

「数年前からその症状が出ていたんだけど、ココ最近特に多かったんだけど・・・」
「病気、ですか?」
「認知症」
「・・・認知症・・・ですか」

「物覚えが悪くて、さっき言った事もすぐ聞いてきたり、予定そのものを覚えていなかったり・・・お酒を何度も持って行ったりしててね・・これはって思って。」


Screenshot-60_20160110151521781.jpg
「ここはええじゃろ?ずっといたい街じゃろ?」
「・・・?あぁ、しばらくはココに落ち着くつもりだ」
「この土地の美味い水の虜になったわけだな、へへへ」



Screenshot-42_20160110151623e56.jpg
「・・・・・」
言われてみれば思い当たる節があった。
初めて会った日から今までずっと・・・
会話をちゃんとしているはずなのに、まるで初めてするかのように
何度も同じ質問をされた事があった。

「俺も仕事があるし家族を養う上で、このバーはいつまでも面倒見れないんだよ」
「でも・・・そしたら客はどうなるんです?」

Screenshot-40_2016011015162121f.jpg
「悪いけどね・・・行くアテもないだろうがね、事情も事情だ、わかってくれるさ」
「でも・・・マスターはここの客を一番に考えていた。辞めるのはマスターの希望を奪うって事ですよ」

「はははっ!親父の希望ったって、もう80過ぎのジジイだよ!むしろ叶えられてるほうじゃないかねぇ、長年潰さずに地味に店を開けてたんだから」

Screenshot-41_20160110151621811.jpg
「親父の気持ちを考えてくれんのはありがたいがね、俺はこの店を守れないし、かといって親父ももう動けない。そもそも親父がバー経営を手放さないおかげで1人暮らしをやめようとしないのは俺は困ってたんだよ」
「やめさせたかったんですか?」

Screenshot-44_201601101516254fb.jpg
「今回の事で決心ついたんだ。今回はたまたまサトシがいたから気づいてもらえたものの、いなかったらって考えてみろ」
「・・・・たしかに。そうですね・・」
考えるのは当然だった。
80歳過ぎた親が1人暮らしをするっていうのは子供からしたら心配だ。しかも認知症の疑いがあったのなら尚更だろう。
かと言って、自分の家族を養う為に働いてる以上、そう何度も顔を出せる暇もないはずだ。

この決断は正しい。
夢を奪うだの客の心配だの、言ってられなかった。


Screenshot-43_20160110151624093.jpg
「今回を機にこの店を閉めようって、思ってる。手伝ってもらって悪かったね。サトシ、しばらく店守ってもらっていいかな?親父が少し回復した頃を見計らって説得するからさ」
「はい、任せてください」

こうやって

人の夢は散っていくのだ。

自分で決断できずに終わる願いもあるだろう。
俺はどうやって見つけ、どうやってつかみとり、そしてどうやって散っていくのだろう。

自分で終わらせるのか、終わらせられるのか・・・。
知りたいようで知りたくない結末。




あと何回、この店は開店できるだろうか。






























ツインブルック



Screenshot_20160110154132db4.jpg
ピンポーン




Screenshot-2_2016011015413109b.jpg
ピンポーン
「はいはい」

ガチャ
Screenshot-5_20160110154132ed0.jpg
「「あ」」




















Screenshot-6_20160110154134fab.jpg
「・・・・」
「・・・・」
チク・・タク・・チク・・・タク・・・
時計の針の音はやたら大きく聞こえる。
隣からはまっすぐな視線が突き刺さる。



タオとは・・・


“あの日”以来だった。

Screenshot-33_20150405103156f40s_20160110155017725.jpg
「サキさんを本気で愛してるんですか?」
「・・・」




Screenshot-7_2016011015413489b.jpg

気まずい。

気まずい事この上なし!

しかし、このままではいけない。謝ろうか・・・タオはそもそも怒っているのだろうか。

何も会話がないってことは、怒っているのか。
そりゃそうか・・・それだけショックもでかかかったし、俺は裏切ったのだから。


ちょっと待て?
・・・・・もし疑われてたら?

ココに来た理由は誰かに相談したくて来た。
でももし鉢合わせしたのがサキだったら・・・・当然サキの事だから話を聞くだろう。

それを疑われてる!?
サキ目当てで来たんじゃないかって、そういう事か・・・?!
こ、これは・・・・


よし!謝ろう、そして誤解を・・・
「どうしました?」
ビクッ!
Screenshot-8_20160110155818147.jpg
「・・・?なんだか元気ないですが・・」

「タオ、誤解しないでほしいんだ、ちょっと・・・俺よく分かんなくなっちゃって」
「どうしました?」
「ただ相談に乗ってくれる人が欲しかったんだ、決してそれ以外の理由があって来たワケじゃ・・」
「どうしたのかって聞いてるんですよケイ君」

「・・・あ、お、おう(・・あれ??)・・・・・お前にコレ、相談するって変か感じだけどさ・・・」





Screenshot-11_20160110155818530.jpg
「マナちゃんと会ってちゃんとしたいって思ってるんだけどさ・・・まだ電話に出ないんだ」
「・・・出ない、ですか」
「これ拒否られてるって事だよね!?」

「うーん」

Screenshot-12_20160110155821d17.jpg
「仕事が忙しいのではないですか?」
「それでも折り返しもメールも一切ないんだよ、俺そんなに嫌われてるのかって・・・ショックで」
「いや、嫌いではないと思うんですが」

「このままじゃ前に進めないし、気持ちだけが焦っちゃって」
Screenshot-9_20160110155816c3b.jpg
「お店に行ってみては?」
「そんなことして余計に拒否られたらどうする!?もう俺何が正解なのか分かんなくなっちゃったよ」

「なぜ怯えるのですか?なぜ会いに行きませんか?直接目を見て伝えれば拒否なんてしません!マナカさんはそんな人ではないですよ!」
「もう怖いんだよ・・ほら、色々あってこじれただろ?まともに会話したのだって随分前だし、最後に会ったのって・・・たしか・・あの・・」
「なんです?」

「・・怒るなよ?サキとデート中だったからさ・・」

Screenshot-16_201601101718433ea.jpg
「・・・」

Screenshot-14_20160110171842f41.jpg
「・・・・・ああああ!!ごめんっ!いやただ・・・タオにもちゃんと謝らないといけないし・・本当・・ゴメン」

「ただ本当にわかってほしいんだけどタオを裏切る気とかは本当になくてだな・・そ、それに・・」
Screenshot-15_20160110171842595.jpg
「会いに行きましょうケイ君!」
「それにだな・・・え?」

「マナカさんはまだ付き合ってると思ってる、もしくはケイ君はサキさんに対して傷心中であると誤解してるのかもしれないじゃないですか!」
「・・・あ、あぁ・・そうか・・」
「はい!それなら電話を拒否する理由はわかります。マナカさんはとても周りに気を使う方ですし、特にケイ君にはそうだと思いますよ!それなら直接会って誤解を解かなくては前には進みません!!!」

「なるほど・・・」

Screenshot-25_20160110173122601.jpg
「ケイ君!!プロポーズしましょう!!」






Screenshot-20_20160110173349e46.jpg
「・・・・・え?」




「プロポーズです!ケイ君!」





Screenshot-21_20160110173348851.jpg
「はぁぁぁぁ”!?何・・え!?タオ何言って・・!?」
「ケイ君の気持ちはもうガッチリ固まってるじゃないですか!それに気持ちを伝えるのは初めてではないでしょう?お互いにしてます!もう何回告白するつもりですか!」
「え・・いやぁ~・・」

「ココは最後のつもりでガツンと本気を見せるべきです!」

Screenshot-22_20160110173350b0b.jpg
「でもいきなりプ、プロ・・プロポーズだなんてっ!!」
「このまままたズルズルと逃げられてケイ君は納得いきますか!」
「それはそうだけど」

タオのこういう突拍子もない事を言うのは
たまにあるが本当に驚かされる。

俺は結婚なんか全然考えてもいなかった。
だって、マナちゃんはずっと心の奥ぞこに絶対存在してる人で
好きだけど
そんなに深く知り合う事もなかったわけで
いきなり結婚申し込んだら

それこそ・・・
終わりなような気がしてしまう・・・。

「いきなりはマズいよ、断られるよ」

Screenshot-23_2016011017335037a.jpg
「ケイ君!自分に信じましょう!マナカさんはそういうのに弱い乙女だとハンナさんが言ってましたし!」
「・・・いやぁ~・・・」
(姉さん余計な事吹き込んだな・・)

「マナカさんのウエディングドレス、見てみたくないんですか!?」
「!」





Screenshot-28_20160110173125de1.jpg
「マナちゃんの・・・・?」

ウエディングドレス・・・


だと・・・!?








Screenshot-29_2016011017455840a.jpg

Screenshot-30_20160110174558780.jpg













Screenshot-26_201601101731229dc.jpg
「・・・・・ウエディング・・・ドレス・・かぁ・・」
「ケイ君?・・・ケーイくーん?」



しばらく

俺の頭の中は夢の世界へと旅立っていった。
そしてその夢から覚めた後、プロポーズという一世一代の決意を
固めたのだった(決してドレスを見たいからってだけではない!)















スポンサーサイト
web拍手 by FC2

| sims物語本編 | コメント(2)

コメント

No title

おひさしぶりです(o'ω'o)

お忙しいとは思いますが
更新楽しみに待ってます
素敵なお話作りがんばってくださいね(*´ェ`)

2016年|03月|09日|02:36 |from しのぶん| URL 【編集】

しのぶんさんへ

しのぶんさん!! |・∀・)ノ
おひさ水ぶりです><///ありがとう~~!
よっしゃ!がんばります!力が沸いてきましたwありがとうございます!!(˶′◡`˶)

2016年|03月|13日|12:20 |from ahiruchanet| URL

非公開コメント

トラックバック

http://ahiruchanet.blog.fc2.com/tb.php/453-871efeb2

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。